日本で最初に発売されるAndroid 3.0(開発コード名Honeycomb)搭載タブレットとなる韓国LG Electronicsの「Optimus Pad」。NTTドコモが3月末から「Optimus Pad L-06C」として販売する予定だ(関連記事)。Optimus Padは3Dビデオ撮影機能などを備えている。同製品の企画・開発に携わったLG Electronics Japan 主任/モバイルコミュニケーション プロダクト&ビジネスグループのキム・ヒチョル氏に話を聞いた。
Optimus Pad(写真1)は、なぜ8.9型のディスプレイを採用したのか。
競合製品などを調査した結果として、8.9型という答えを導き出した。10型程度だと重い。iPad2はかなり軽くて驚いたが(関連記事)、そもそも10型に近い大きさだとモビリティ性が落ちる。
一方、7型のディスプレイを採用したタブレットもあるが、リッチなコンテンツを見るには小さすぎる。ビジネスとしてPowerPointの資料を活用したりする場合も、7型ではサイズが小さいという意見があった。
こうした意見を取り入れながら、どの大きさが最適かを考えた。その結果、8.9型を採用した。
カーナビゲーション・システムでは8.9型ディスプレイを採用しているものがある。パネルが入手しやすかったという理由もあるのか。

それはない。今回採用している8.9型ディスプレイは、Optimus Pad専用に作ったものだ。
グローバル、特に欧米市場では片手で持てる最大サイズを意識した。欧米では「ワンハンドタブレット」という言い方をしてOptimus Padを紹介している。ただ、日本を含めたアジア地域、特に女性は片手で持つのは難しいだろう。日本ではあえて片手で持てるということは打ち出さない。
海外では「3D」機能を大々的に紹介しているが、日本市場ではどうするのか。
CES(2011 International CES)やMWC(Mobile World Congress 2011)では、スマートフォンの「Optimuns 3D」(日本未発売)とともに、3Dに関して力を入れることをうたっている。MWCでは、撮影した動画をアップロードするといった使い方を想定し、YouTubeとの提携も発表した。
Optiumus 3Dは3Dビデオ撮影もできるし、撮影した3D映像を裸眼かつ端末単体で見ることができる。Optimus Padも3Dビデオ撮影の機能は備えており(写真2、写真3)、3D対応のテレビに接続することで、Optimus Padで撮影した3D映像を見ることができる。
ただし、Optimus Pad単体かつ裸眼では3D映像を見ることはできない。端末単体で3D映像を見る際は、赤と青のモードであれば(写真4)、立体視用の赤青メガネをかけることで見ることができる。海外ではOptimus Padに赤青メガネを同梱して販売している。もちろん、市販の赤青メガネも使える。
日本で展開するにあたっては、立体視用の赤青メガネは同梱していない。コストが高くなるだけでなく、赤青メガネの商品性についても疑問符がついた。そのため今回、正式な(NTTドコモの)オプション品には入っていない。ただ、LG Electronicsとして独自に、赤青メガネを日本で販売するかもしれない。
対応するテレビは、LG Electronics製の3D対応テレビだけでなく、サイド・バイ・サイド方式に対応していれば、Optimus Padで撮影した3D映像を見ることができる。裸眼で見られるかどうかは3Dテレビ側の対応次第だ。