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 セキュリティベンダーであると同時に、ストレージ管理やデータバックアップといった領域のベンダーとしての顔を併せ持つ米シマンテック。今後、シマンテック全体として、どのようなソリューション提供を目指すのか。同社の社長兼CEO(最高経営責任者)であるエンリケ・セーラム氏に聞いた。

(聞き手は河井 保博=日経コミュニケーション

写真●米シマンテックの社長兼CEOであるエンリケ・セーラム氏
写真●米シマンテックの社長兼CEOであるエンリケ・セーラム氏

シマンテックはストレージ管理、データバックアップ、セキュリティと異なる事業分野を持っている。同じIT分野とはいえ、方向性がかなり違う事業を手掛けているように見えるが、どのような会社にしたいのか、教えてほしい。

 目指しているのは、「情報を扱うこと」に関して信頼してもらえる会社だ。膨大な情報に囲まれている今の社会で、人が必要とする情報を、あるべきときに、安全かつ的確に提供できる仕組みを提供していきたい。三つの事業分野は、どれもそれを支えるために欠かせない。

今は必要に応じて情報を入手できていないと。

 そういうケースが多い。少なくとも今は「情報爆発」の時代。文書などのデジタルデータは、過去何年にもわたって蓄積されてきたデータ全体の量に対して、2009年から2010年の1年間で62%増だ。スマートデバイスの普及などによって、データの量はもっと増えていく。管理はますます難しくなってきているわけだ。

 一方で、企業のCIOは、それをきちんと管理できていないことを気にしている。多くの場合は、重要な情報がどこにあるか分からないという状況にある。どんなビジネスも、価値は知的財産から生み出される。だからデータをきちんと管理し、保護しなければいけない。

 現状では、デジタルデータの70%を、メールなどの非構造化データが占めている。ERPなどで管理している構造化データは、整理され検索も容易になっている。ところが非構造化データについては、まだリストラクチャリングが進んでいない。ユーザーからは、構造化データ、非構造化データのどちらも適切に管理したいというリクエストが来る。我々は、そのリクエストに応えるソリューションを提供していく。

そのために重要なポイントは何か。

 情報の見える化と、人のID管理だ。情報に関して言えば、重要なのはカテゴライズ、あるいはクラシフィケーション(クラス分け)の概念。そうすることで情報の整理を自動化し、容易に取り出せるようにする。

 我々は、ストレージ管理やデータバックアップの製品に、このクラシフィケーションのための仕組みを持たせ、コンテンツを自動分類できるようにした。重要な情報は可用性が高く、高速なストレージに格納するといった制御が可能になるし、分類しておくことで検索性も高められる。ストレージ内で重複しているデータを見付け、排除することも、検索性を高めることにつながる。

 クラシフィケーションの技術は、これからのセキュリティ、ストレージ管理、バックアップの中核技術になる。セキュリティ面で言えば、コンテンツの内容を識別して機密情報を自動的に見分けられる。これは情報漏洩防止に役立つ。

人のID管理についてはどうか。

 今後、情報はクラウド上に蓄積されるようになり、ユーザーはスマートフォンやタブレット端末など好きな端末から、それを利用するようになる。だからセキュリティ、あるいはプライバシー保護のための策は欠かせない。そこで、買収したベリサインの技術が役に立つ。

セキュリティに関していうと、最近は攻撃がどんどん巧妙になってきている。普及し始めたスマートデバイスを狙うマルウエアも急増している。

 対策の一つとして重要な仕組みが、データのクラシフィケーションに基づく情報漏洩防止(DLP:Data Loss Prevention)だ。そしてもう一つ、レピュテーションが重要になる。最近は、攻撃の75%はターゲットにされる端末が50台に満たない小規模なもの。だからマルウエアの検体など攻撃に関する情報がなかなか得られず、防御が難しくなっている。

 そこで我々はレピュテーション(評判)を使うことで問題を解決しようとしている。ユーザーが実行形式のファイルを開こうとすると、シマンテックが世界中から収集したレピュテーションを参照する。既に何人ものユーザーが動作させた実績があれば安心、ほとんど誰も開いたことがないのであれば問題が潜んでいるかもしれないと判断できるだろう。