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 米クラウド・ドット・コムは、オープンソースソフトウエア(OSS)のIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)構築ソフト「CloudStack」の開発元だ。CloudStackは、「Amazon EC2」のようなセルフサービス型のIaaSを構築するためのソフトで、インドのタタ・コミュニケーションズや、韓国のKTなどアジアの通信事業者がクラウドサービスの基盤として採用することで知られている。日本でも、IDCフロンティアや北海道大学が、CloudStackを採用した。クラウド・ドット・コムのケン・キム氏は、「アジア地域の様々なIaaS事業者が、同じAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を採用することで、IaaSの相互連携が容易になりつつある」と語る。

(聞き手は中田 敦=日経コンピュータ


CloudStackは、どのような会社が採用しているソフトか?

米クラウド・ドット・コム バイスプレジデント兼ゼネラル・マネージャー ケン・キム氏
米クラウド・ドット・コム バイスプレジデント兼ゼネラル・マネージャー ケン・キム氏

 IaaSの先駆者である米アマゾン・ウェブ・サービシズは、IaaSを実現するためのソフトウエア基盤を、すべて自分たちで開発した。今、アマゾンを追いかけて、急いでIaaSを市場に提供しようという事業者がCloudStackを採用している。

 CloudStackを採用すれば、アマゾンのように自社でIaaS構築ソフトを開発したり保守したりしなくても、拡張性の高いIaaSを提供できるようになる。CloudStackは、ユーザーがセルフサービス方式で仮想マシンの管理ができるセルフサービス・ポータル機能や、物理サーバーへの仮想マシンの配置を最適化するプロビジョニング機能、Amazon EC2互換の仮想マシン管理APIを提供する機能など、IaaSを実現するための機能を備えている。IaaS事業者は、データセンターの運用や顧客のサポートなどに専念することが可能になる。

CloudStackは、インドのタタ・コミュニケーションズや韓国のKTなど、アジアの通信事業者が採用しているケースが多いようだ。なぜか?

 クラウド・ドット・コムは、カリフォルニア州クパチーノ市に本社があり、従業員は60人。その内の半数以上を、アジア出身者が占めている。インドのハイデラバードにも開発拠点があり、アジアに強い会社だと言える。現在のCEO(最高経営責任者)や創業者も中国系だ。

 また、アジアの通信事業者がクラウド事業に熱心ということも、CloudStackの採用が進んでいる理由に挙げられる。ヨーロッパよりもアジアの方が、クラウド市場の立ち上がりは速い。

 タタ・コミュニケーションズやKT、IDCフロンティアがCloudStackを使っているということは、これらのIaaSの仮想マシン管理用APIが同じということを意味する。アジア地域においては、様々な国で提供されるIaaSを一元管理するなど、IaaSの連携が容易になっている。

 CloudStackはもともと、Amazon EC2と管理用APIの互換性が高く、EC2の仮想マシンに対する高度な管理サービスを提供する「RightScale」(提供元は米ライトスケール)にも対応している。RightScaleを使うことで、Amazon EC2と、タタやKTなどCloudStackを採用するIaaSの仮想マシンを連携させることも可能だ。