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銀行は今年二つ取る

これだけ売り上げを落とすと、企業イメージや従業員の士気にもかかわってくるかと思います。大型のM&A(合併・買収)など大胆な試みも必要なのではないですか。

 早く3000億円に戻したいという思いは当然ありますよ。確かに、従業員も少し元気を失っている面があります。ただすぐに3000億円というのは、正直言ってハードルが高い。まず今期に前期並みをキープし、少しずつ回復していくのが基本です。

黒川 茂氏
写真:陶山 勉

 当然、3000億円を超えて規模を拡大する目標を持っています。M&Aも良い話があればやりたいのですが、この数年に試みたM&Aはあまりうまくいきませんでした。ですから、当面はM&Aではなく他のベンダーとの協業を進めていこうと考えています。

 協業はすでにいくつかやっていて、今年2月には無店舗型金融機関向けシステムなどで野村総合研究所との提携を発表しました。実は、銀行向けの証券業務ソリューションは日立製作所と共同開発したもので、地方銀行50行以上に採用されています。日本IBMとも特定分野で一緒にやろうという話をしています。昔のユニシスなら、考えられないことです。

地方銀行向けの勘定系システム「BankVision」ですが、顧客の開拓が進んでいません。

 目標は変わっていません。我々は20行と言っています。この5月に稼働した鹿児島銀行で7行目ですが、鹿児島銀行で当社のユーザーの移行は最後です。実を言いますと、これから狙うのはプロスペクト(潜在顧客)です。つまり、他ベンダーのユーザーを攻めるということです。

 地方銀行のシステム更改のタイミングがありますが、まずは5年以内にシステム更改を計画している銀行をピックアップして、アプローチしています。今年度は二つの商談の獲得を狙っており、そのうち一つはかなり手応えがあります。昨年も同じような話をして結局一つも取れなかったので、今年はぜひ取ろうと頑張っています。

「ユニシス」は海外進出できず

クラウド時代になりNTTデータがサーバーを開発するなど、ハードウエアの価値が見直されています。元メーカーとしてハードの位置づけに変更はありますか。

 まずメインフレームは米ユニシス製品、これは変わることはありません。今後とも継続的に提供していきます。そのメインフレーム「ClearPath」は、世界的に需要が伸びているのですよ。ですから、米ユニシスは今後ともClearPathに力を入れていくとのことです。日本でもメインフレームを長く使いたいという顧客に提供し続けていきます。

 オープン系については、もはや独自のハードを持っていません。Windows系のES5000とrE5000は日立製を使っていますが、良いものがあれば他のベンダー製品も扱っていきます。そしてクラウド時代において、それがインテグレータである我々の強みでもあると思います。

最近注目のクラウド専用機を出してみようとか、そんなお考えはないのですか。

 そういう予定はありません。

黒川 茂氏
写真:陶山 勉

グローバル対応については、どうしますか。「ユニシス」の商号は、米ユニシスとの契約の関係で海外では使えないですね。

 はい、「日本ユニシス」である限り海外に出られません。ただ、ユニアデックスやネットマークスなどの子会社がすでに中国やベトナムなどに進出しており、子会社を通じて日系企業に国内と同じようなサポートを提供していきます。

社名変更など抜本的解決が必要なのではありませんか。

 確かに少し足かせがありますが、社名を変えなければいけないとは思っていません。実は、そういう話も社内では出ていますが、「日本ユニシス」のブランドはそれなりに浸透していますから、現状では考えていません。

三井物産との関係は、これまでと変わりませんか。

 はい、変わりません。

大規模なM&Aのような話が出てきてもですか。

 それは三井物産に聞いてください。

日本ユニシス 代表取締役社長
黒川 茂(くろかわ・しげる)氏
1974年3月に東京教育大学理学部数学科卒業、同年4月に日本ユニバック(現日本ユニシス)入社。2003年4月に金融第一事業部システム統括部システム二部長。08年4月に執行役員 兼 SW&サービス本部長、09年3月に執行役員 兼 経営企画部長。10年4月に常務執行役員 兼 システム統括部門長 兼 USOLホールディングス代表取締役社長。 11年2月に金融事業部門長と金融企画部長も兼務。6月29日に代表取締役社長に就任。1951年9月生まれの59歳。

(聞き手は、木村 岳史=日経コンピュータ)