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 アマゾン ジャパンは、東日本大震災の約1カ月後から「ほしい物リスト」を使った物資提供サービスを始めている。被災地のニーズと善意をつなぎ合わせ、被災地の人が必要なものを必要な数だけ、送り届けられるのがメリットだ。「広くあまねく」を基本ルールとする公的な機関の物資提供を補完するものとして受け入れられている。サービス立ち上げから約3カ月で、売り上げ実績は9000万円に達したという。

(聞き手は菊池 隆裕=ITpro

被災者が必要とするものを必要な数だけ送り届けることができる「ほしい物リスト」を活用した、物資配送サービスが好評です。この取り組みを始めた経緯を教えてください。

写真●アマゾン ジャパン 渉外本部本部長 渡辺弘美氏
写真●アマゾン ジャパン 渉外本部本部長 渡辺弘美氏

 東日本大震災が起こってしばらくして、社内で「ほしい物リスト」を使って何かできないか、という声が上がりました。従来からあるこのサービスを、被災地向け物資提供に使えることは分かっていました。最初の課題は「現場のニーズをどうやって聞き出すか」でした。

 そこで被災地の県庁の担当者にコンタクトをとり、県単位で欲しいものリストを作ってもらえないかという提案をしました。ただ、この時点では水や食料が不足していた時期だったので、「もし始めるのなら全域を対象にする必要がある」、あるいは「ある避難所の全員に同じものを用意できるか?」ということで、実現にはハードルがあることが分かりました。この事情は分からないでもないので、いったん棚上げになりました。

 同じ頃、配送の面で進展がありました。4月7日に、ヤマト運輸の「クロネコヤマト」を使って、避難所に物資を届けられるようになったのです。Twitterを見ていると、「ほしい物リストを使って物資を届けたい」という声が聞こえてきました。

 現地の情報を収集し発信している人がいないか急いで探したところ、早稲田大学の講師をしている西條剛央さんのブログを見つけました。西條さんは「ふんばろう東日本プロジェクト」を主宰している方で、岩手の陸前高田市で被災された方が必要なものを発信していました。さっそくTwitterで連絡をとり、陸前高田の消防団長さんを紹介してもらい、現地のニーズをヒアリングして立ち上げることができたのです。Twitterで話題になったこともあり、必要な物資を入力すれば即、誰かが購入してくれるという状態が続きました。

 軌道に乗った頃、今度は自治体から問い合わせが入るようになりました。自治体でも、必要な物資をホームページで求めるようになったのですが、必要数以上に集まり過ぎることが問題になっていました。そこで数量設定できる「ほしい物リスト」を使えないか、ということになったようです。