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 米VMwareは、仮想マシン基盤ソフトを中核に、仮想化/クラウド環境のプラットフォーム製品群を提供するベンダーである。クラウド環境の変化に合わせ、新製品や新バージョンを投入している。ITproは2011年11月8日、ヴイエムウェアが国内で開催したカンファレンス「vForum 2011」に合わせて来日した米VMwareのRaghu Raghuram氏に、直近の同社の取り組みを聞いた。

(聞き手は日川 佳三=ITpro


いまクラウド環境で起こっている変化は何か。

米米VMwareで仮想化/クラウドプラットフォーム担当上級副社長兼セネラルマネージャを務めるRaghu Raghuram氏
米VMwareで仮想化/クラウドプラットフォーム担当上級副社長兼セネラルマネージャを務めるRaghu Raghuram氏

 ユーザー企業が、各企業ごとに独自のクラウド戦略をしっかりと持つようになった。これこそが、米VMwareが「Your Cloud」(あなたのクラウド)と呼んでいる現象だ。インフラのレベルでは、ハイブリッドクラウドの形態をとる。

 ハイブリッドクラウドとは、パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせて使うことを指す。各企業ごと、それぞれの用途に応じて、プライベートとパブリックのどちらを使うかを判断し、使い分ける。

 こうしたインフラの変化と同時に、新しいアプリケーションがどんどん作られている。これに合わせて、PaaS(Platform as a Service)のような、アプリケーションプラットフォームに関する動きが活発化している。

クラウド環境の変化に合わせ、どのような製品をリリースしているのか。

 2011年夏に「Cloud Infrastructure Suite」と呼ぶ製品群をリリースした。ユーザー企業が社内のデータセンター上にプライベートクラウドを実装するためのミドルウエア製品群である。サービスプロバイダもこれらの製品を使うことができる。

 パブリッククラウドとプライベートクラウドをつなぐコネクタ製品「vCloud Connector」も、無償でリリースした。仮想マシンをクラウド間で移行するためのツールや、複数クラウドにまたがる仮想マシンのキャパシティ(容量)計画を一元的に管理する機能などを提供するものだ。

PaaS(Platform as a Service)への取り組みは。

 「Cloud Foundry」と呼ぶアーキテクチャの下、オープンソース(OSS)を活用して、PaaSのスタックを構築するとともに、米VMwareみずからPaaSのサイト(http://cloudfoundry.com/)を運営している。このサイトはβ版という位置付けだが、Webから利用者登録すれば、サイトが用意しているPaaS機能を利用してアプリケーションを構築できる。

 Cloud Foundryのベースとなるソフトウエアは、今後パッケージとして提供する予定だ。これを使えば、エンタープライズにおいてプライベートPaaSとして利用できる。

エンタープライズでは仮想化の適用範囲が拡大しているのか。

 VMware vSphere 5で搭載した新機能「Monster VM」(怪物VM)を契機に、ミッションクリティカルな用途でも仮想化が使われるようになった。名前の通り、容量が大きいVMであり、32個の仮想CPU、2Tバイトのメモリーを割り当てられる。エンタープライズのユーザーからは「独SAPのアプリケーションを動かしたい」といった要望が強いので、これに応えるために用意した。

 ミッションクリティカルな用途にも仮想化を適用する需要は大きい。第一に、管理/セキュリティ面で優位性がある。第二に、DR(災害復旧)を容易に実現できる。第三に、標準化(ありとあらゆるアプリケーションを標準的に走らせることができる)の要望を満たすことができる。

EUC(エンドユーザー・コンピューティング)への取り組みは。

 すでに世の中は“ポストPC時代”になっていると米VMwareでは見ている。この動きは、エンタープライズ(企業情報システム)にも波及している。エンドユーザーは、アプリケーションやデータに、いろいろなデバイスから、いろいろな場所からアクセスしたいのだ。これまでのやり方に不満を持ち、自由を欲している。

 米VMwareの製品を使えば、IT部門による管理と、エンドユーザーの自由を、両立させることができる。このための複数の製品を用意している。例えば、すでに出荷済みのものでは、仮想デスクトップソフトのVMware Viewを使うと、マルチデバイスからPCにリモートアクセスできる。また、VMware Horizonと呼ぶ管理ソフトを使うと、エンドユーザーのアクセスをポリシーベースで管理できる。

 今後提供を予定するソフトでは、PCのデスクトップ環境のすべてではなく単一のアプリケーションにだけアクセスできればよいケースに向けて、VMware App Blastと呼ぶ製品を用意する。仮想マシン上で一つのアプリケーションだけを実行し、これにWebブラウザ(HTML5)でリモートアクセスさせるものになる。また、ファイルにアクセスできればよい、という用途に向けて、オンラインストレージのVMware Project Octopusを提供する予定だ。

今後登場する注目製品は。

 沢山あるが、MVP(Mobile Virtual Platform)の注目度は高い。Androidスマートフォン向けのハイパーバイザーだ。個人用の仮想マシンと、企業管理下の仮想マシンを、切り替えて運用できるようにする。今のところ、韓国のLG電子とサムスンから搭載機が出荷される予定だ。今回のvForum 2011でも、GALAXY S2にMVPのハイパーバイザーを載せてデモを披露した。