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 リアルタイムに時々刻々と生成される大量のデータから、いかに知見を見出してビジネス戦略に生かすか――。ビッグデータ活用が情報システムのあり方と企業戦略を大きく変えようとしている。EMCは、データ分析用データベースソフト「GREENPLUM」などを掲げて積極的にビッグデータ活用を打ち出している。同社のマーケティング本部長、および、GREENPLUMを担当するデータ・コンピューティング事業本部長に話を聞いた。(聞き手は井上健太郎/田島篤=ITpro)

ビッグデータ活用に関する調査結果「データを有効に活用できている企業は3社中1社のみ」を発表した。なぜ、このような調査を行ったのか。

EMC マーケティング本部長 兼 マーケティング・プログラム推進部 部長 糸賀 誠氏
EMC マーケティング本部長 兼 マーケティング・プログラム推進部 部長
糸賀 誠氏

糸賀 膨大なデータを分析して得られた知見をビジネスに生かしたいというニーズは以前から存在した。ただ、最近の技術的な進歩により、このニーズが一層高まっているのを感じていた。同時に、データを利活用するためのスキルが追い付いていない、という仮説も立てていた。そこで、この仮説を裏付けるためにビッグデータ活用に関する調査を世界各地で実施した。

 仮説に関しては、今までのITエンジニアとかBIエンジニアとは違うスキルセットを持ったエンジニアがいないと、ビッグデータ活用は難しいと考えていた。この考えを裏付けるために調査を実施、高度なスキルを備えた「データサイエンティスト」の不足といった問題点が明らかになった。

データサイエンティストはどのようなスキルセットを持った人材なのか。

黒木 我々は、人材がビッグデータ活用の鍵を握ると考えている。そこで、GREENPLUMを担当しているデータ・コンピューティング事業本部では、データサイエンティストの専門家集団を育成している。社内の人材を育成すると同時に、パートナー向けの人材育成プログラム(データサイエンティストの認定制度)も米国ではこの2月から開始する。日本でも近々取り入れる予定である。

 では、データサイエンティストに必要なスキルセットは何か。従来のBIやデータベースに関するスキルとは異なり、数理モデルや統計解析のスキルを持ち、なおかつ分析結果をビジネスに生かせる人材ということになる。そのため、認定制度は特定のツール(ソフトウエア)に依存するプログラムではなく、汎用のスキルを身に付けられる内容になる。

 データサイエンティストの認定制度については、ビッグデータ活用を啓蒙していく狙いもある。最終的に自社製品を広めるという目的も当然あるが、ビッグデータやクラウドといった新しいIT基盤は、従来の知識の延長ではなく、新しいスキルを身に付けてもらわないと対応できなくなっている。そのため、我々は新しいIT技術の導入を支援していく。

BIのスキルはビッグデータのそれとは違うものなのか。

糸賀 BIツールは、どちらかというと、経営の指標を見るものだった。ビッグデータは、そうではなくて、ビジネスに即生かさないといけないもの、ビジネスプロセスに組み込まれるものである。経営者層や現場部門のいずれにおいても活用すべきものだ。

 ただし、今後には、「日本の企業がどれだけビジネスプロセスを変えていけるか」が、ビッグデータ活用の課題の一つとして表面化するかもしれない。