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 米国内でモバイルWiMAXサービスを提供する米クリアワイヤ。UQコミュニケーションズとWiMAXのローミング契約を結ぶなど、モバイルWiMAXのエコシステム形成の一角を担っていたが、最近ではTD-LTEの推進団体である「GTI」(関連記事)に参加するなど、同じTDD技術であるTD-LTEへ注力する姿勢を見せている。同社の真意はどこにあるのか。スペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2012」の会場内にて、同社のエリック・プルシュCEOがインタビューに答えた。

(聞き手は堀越 功=日経コミュニケーション



モバイルWiMAXよりもTD-LTEの将来性に期待しているのか?

米クリアワイヤのエリック・プルシュCEO
米クリアワイヤのエリック・プルシュCEO

 我々はモバイルWiMAXからTD-LTEへとフォーカスを移している。TD-LTEは第4世代のグローバルスタンダートになると我々は信じている。また我々が進める他の携帯電話事業者に対する卸売型のビジネスにとって、周波数利用効率の高いTD-LTEのほうが都合がよい。さらにモバイルWiMAXで慣れ親しんだTDD技術を利用する点でも親和性が高い。そこで既存のモバイルWiMAXのネットワークに、TD-LTEのネットワークをオーバーレイしていく計画を考えている。

TD-LTEは、どんな点がモバイルWiMAXよりも優れていると考えているのか?

 2点ある。まずは先に挙げた周波数利用効率がTD-LTEのほうが優れている点。もう1点は、グローバルでTD-LTE採用が広がりつつある点だ。中国移動、インドのバーティエアテルなどがTD-LTEを採用しようと動いている。日本ではソフトバンクグループがTD-LTEサービスを開始した。スマートフォン用のTD-LTEのチップセットも2012年末ごろには登場しようとしている。他の技術と比べても、TD-LTEは世界的に急速にエコシステムが立ち上がろうとしている。

TD-LTEの展開スケジュールは?

 まず第1フェーズとして5000局を2013年6月までに構築。その後すぐに、8000局まで広げる。現在、モバイルWiMAXの基地局は1万6000局を展開しているが、その半分のエリアにTD-LTEをオーバーレイする考えだ。周波数帯は2.3G~2.6G帯を考えている。上下のペアチャネルが必要なFDDシステムと比べて、TDDシステムは周波数帯を確保しやすい点もメリットだ。

モバイルWiMAXサービスは将来的に停止するのか?

 当面モバイルWiMAXサービスは継続する。我々は米スプリント・ネクステルとの間で2015年までモバイルWiMAXを卸提供する新たな契約を結んだ。それまでは少なくともモバイルWiMAXサービスを提供する。

 技術としてのモバイルWiMAXがすぐに滅ぶとは思っていない。現段階でも我々はモバイルWiMAXサービスを売り続けており1050万の加入者を抱えている。十分なクオリティでサービスを提供していると考えている。

 加えて言えば、ユーザーはモバイルWiMAXとTD-LTEの技術の違いなどは気にしていない。クオリティ、スループット、カバレッジがサービスの優劣を決める。

米国内では米ベライゾン・ワイヤレスや米AT&TモビリティなどがLTE(FDDモード)の展開に邁進し、競争が激化しているように見える。

 我々のビジネスモデルは、キャパシティが足りないすべての事業者にネットワークを卸すモデルだ。これらの事業者と競合するとは思っていない。いずれの事業者も十分な周波数帯を保有しておらずキャパシティが足りなくなっている。それに対して我々は160MHz幅もの周波数帯を保有している。ユニークで重要なポジションを米国内の通信業界の中で築いている。