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 “プロ”向けのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)として、米国を中心に多くのユーザーに使われているLinkedIn。このLinkedInの共同創業者であるリード・ホフマン氏が、友人のベン・カスノーカ氏と共同で執筆したのが「スタートアップ!― シリコンバレー流成功する自己実現の秘訣」(日経BP社、原題は「THE START-UP OF YOU」)である。100社を超えるテクノロジー企業に投資しているホフマン氏は、この著書の中で「人はだれでも自分の人生の起業家だ」として、すべての人にシリコンバレーの起業家精神が役に立つと主張する。その意味を来日したホフマン氏に聞いた。

(聞き手は根本 浩之=ITpro



著書でスタートアップという言葉を使っている理由を教えてください。

リード・ホフマン氏

 グローバル化やテクノロジー化の波で、世界は大きく変わっています。こうした状況の中で、個人個人が成功していくためには起業家精神が必要だということを伝えようと思いました。これは、自分で会社を作る起業家だけでなく、同じ会社にずっと勤めている人にとっても同じです。

 起業家精神として大事なのは、常に学習し続けることです。自分に投資をして競争力を養う。あるいは、変化する世界で生き残っていくために賢くリスクを取ることが必要です。なぜシリコンバレーが素晴らしいイノベーションを生み出す起業家のハブになっているかというと、単に自分たちの会社の中の人たちだけでなく、世界中とやり取りしているからです。

具体的に、どのようにしたらいいのでしょう?

 現在の自分がいる地点から、将来自分が望む方向にどうやって進んでいくかという、将来に向けたパスを設計します。そのためには、「大志(aspirations)」「資産(assets)」「市場環境(market realities)」というパズルの三つのピースが必要になります。自分の手元にあるこれらのピースをどのように活用して、現在の市場環境に適用できるのかを考えることが重要です。

 例えば私の場合、大学を出てシリコンバレーで最初の仕事を探したときの資産は「一生懸命努力します」「学習能力があります」「仕事を成功するために頑張ります」といった程度のものでした。一方、当時の市場環境としては、多くの人がシリコンバレーで働きたいと職を探している状況でした。その中で、私は人とのネットワークを活用してアップルに就職しました。

 一方、当時の大志は「きちんとした仕事を持とう」というものでした。そのためには契約社員でも構わないと思っていました。そして契約社員として入り、入社後に仕事で認めてもらおうと思った。実際に数カ月後に正社員として採用されました。

指摘されたような三つのペースを自分で客観的に評価するのはなかなか難しい。

 自分の周りのネットワークを上手に活用することが重要です。自分の持っている資産が何かは友人が教えてくれます。また、市場環境がどうなのか、大志がどのようなもので、それが意味を持つものなのかも、友人が助言してくれるでしょう。そこがネットワークを作ることが意味する肝心な部分です。

 賢くリスクを取るため、また自分が成長して成功していくためには、何を実験して試す勇気があるかも重要です。私がアップルで働き始めた当初はUXデザイナーという職でした。ですが、それよりもプロダクトマネージャーになるべきだと自分では考えました。

 そこで、当時アップル社内にあったプロダクトマネジメントグループにボランティアとして参加し手伝いを始めました。すると、私も仕事を学べるし、そこで働いている人たちも私のことを理解できました。そこが私にとってキャリアパスの転換となって起業家の道を歩くきっかけになりました。