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 米Genesys Telecommunications Laboratoriesは、企業のカスタマーサービスやコンタクトセンターを支援するソフトウエアやサービスを開発・販売する会社である。顧客と企業をつなげるチャネルは、携帯電話やスマートフォン、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の普及で大きく変わりつつある。そうした変化の激しい状況の中で、エンドユーザー向けのビジネスをしている各社は、顧客に対するサポート体勢についてどのように考えているのかを、グローバルな会社の幹部を対象に調査を実施し「Getting Closer to the Custormer」というレポートとしてまとめた。来日した同社CMOのNicolas de Kouchkovsky氏に調査の狙いや結果について聞いた。

(聞き手は根本 浩之=ITpro



今回発表されたレポートの目的を教えてください。

米Genesys Telecommunications LaboratoriesでCMOを務めるNicolas de Kouchkovsky氏
米Genesys Telecommunications LaboratoriesでCMOを務めるNicolas de Kouchkovsky氏

 私たちは、現在カスタマーサービスでも変革が起こっていると考えています。それは、SNSや携帯電話といった新しいコミュニケーションチャネルが大幅に増えたからです。私たちも、どのように対応すればいいのかとよく質問されます。そこで、新しいチャネルに対して企業はどのようにアプローチすべきかを考えるために、今回の調査を実施しました。

 今回の調査は、The Economist誌の関連会社で英国にある「Economist Intelligence Unit(EIU)」に依頼して実施しました。対象としたのは企業の経営幹部、あるいは中堅の幹部です。世界中のグローバル企業に所属する約800人の経営幹部にインタビューをしています。

調査結果についてポイントを教えてください。

 まず、新しいコミュニケーションチャネルについて誰が責任を持って統括すべきなのか、多くの企業がまったく理解していないということが判明しました。誰が責任を持つべきかと聞くと、経営幹部は60%がCEOの責任だと言ったのに対し、中堅幹部は28%しかCEOの責任範囲と思っていません。このように、企業内で混乱していることが見られます。

 企業がSNS上の非難について非常に懸念しており、そこにばかりフォーカスしているということも分かりました。こうした事態になった場合は、通常はマーケティング部門の責任になりがちです。結果としてカスタマーサービスには焦点が当たらなくなってしまっています。マーケティング部門だけでは、SNSによる新しい顧客と接触する機会や課題に対応することはできません。批判だけにフォーカスするのではなくて、SNSをきちんとカスタマーサービスの向上のために活用すべきと思っています。そのためには、マーケティング部門とカスタマーサービス部門が対話をしなければなりません。

 また、SNSばかり気にして、顧客との対話に使われるモバイルや携帯電話の部分が無視されています。これらの部分もきちんと見ていって全体的な視点を持つ正しいアプローチを取ることが必要です。携帯電話は非常に大きく広がっており、今では誰でも持っています。それなのに、こうしたショッキングな結果が出ました。

 携帯電話は非常に重要な顧客とのチャネルです。多くの企業で携帯のアプリケーションを作っていて、顧客と対話しようとしています。そうした携帯のアプリケーションは約100万個もあって、ダウンロード数は400億に達します。ただ、12カ月後以降にアプリケーションを使っている人は平均して6%に過ぎません。

携帯電話やSNSといった新しいチャネルへの対応が、Webや電子メールに比べて遅れているのは、どうしてなのでしょう。

 まず、新しいチャネルを管理していくには、やはり会社全体で対応していかなければいけないということがあります。現在は、マーケティング部門に対しSNSに対応しなさいという命令が出ていますが、マーケティング部門だけでは不十分です。

 SNS上の対話の26%がブランディングに関するものだという結果が出ています。そのため、SNSを使ってこうしたいという期待はあるのですが、例えば批判が起こっている場合、これはもうマーケティングではなくてカスタマーサービスが対応できないということがあります。

新しいチャネルが出てきたことによって、顧客側の意識の変化というものはありますか。

 顧客は、どのチャネルを使ってでも企業と対話ができると思っています。例えば、「Twitter」や「Facebook」、または携帯電話を使って話すことができるという認識でいます。顧客は一番便利なチャネルを使って企業に対話してくるように変わってきています。

 2つ目に、レスポンスに要する時間に変化が見られます。顧客は、以前よりも短時間で回答が返ってくると思っていますし、若い世代では本当にすぐ回答があるものと考えています。

 最後に、顧客はさまざまな異なるチャネルを使っている点があります。例えば、ネットで何か検索します。それから、実際のストアに行って実物を見て、これを買おうと思って、また別のネットのサイトに戻って買ったりします。そこでちょっと分からないことが出てきたので電話をして聞いてみようと、そういう使い方をしています。

 そのため、顧客の期待としては、すべてのチャネルをいつでも使える。そして、いつでも企業からのレスポンスがあるというように変化しています。企業として重要なのは、異なるチャネルでありながら、全部を完結した形で1つの対話として管理することです。