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 技術のイノベーションを継続して進め、成果をビジネスと融合させる。イノベーションを続けて進化していくための様々な人材確保・育成策を打ち出す──。米IBMフェローで、社内の全世界的な技術コミュニティーを統括するバーナード・メイヤーソン氏は、これこそがIBMの強さの源泉であると強調する。

(聞き手は田中 淳=日経コンピュータ


R&Dの立場から見たIBMの強みは何か。

米IBM フェロー、イノベーション担当バイス・プレジデント バーナード・メイヤーソン氏
米IBM
フェロー、イノベーション担当バイス・プレジデント
バーナード・メイヤーソン氏

 ビジネスとの完全なバランスを図りつつ、イノベーションを継続していることだ。企業のCEO(最高経営責任者)に「成長のために最も必要なのは何か」と聞くと、「イノベーションだ」と答える。コンサルティング会社の米マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査によれば、CEOの84%が「企業の健全性を保つために、イノベーションが最大の課題だ」という。

 だが、イノベーションに2種類あることは意外と知られていない。一つは「ア・ハ!」イノベーション。まさに「ア・ハ!」という、これまでにない画期的なアイデアに基づくイノベーションを指す。

 IBMフェローのロバート・デナード氏がやったのは、まさにこれだ。彼は1966年に「DRAM」を開発した。これが世界を変えたのは言うまでもない。のちに、この関連の研究で4~5人がノーベル賞を受賞した。

 もう一つは、継続的(コンティニュアス)イノベーション。毎日、机に向かって「あるアイデアをもっと良いものにできないか」と考え続けるたぐいのものだ。

 継続的イノベーションは、ア・ハ!イノベーションと同じくらい大切である。ラップトップコンピュータを例に挙げよう。継続的イノベーションがなかったとしたら、どのくらいの重さだったか。25万トンになっていたはずだ。これでは到底、実用にならない。