2012年11月に発表した中期経営戦略でクラウドサービスのグローバル展開強化や海外売上高の倍増など「海外志向」を明確に打ち出したNTT。4月に北米でR&D(研究開発)拠点を設立。統一ブランドを立ち上げ、強豪ひしめく北米マーケットで伍していく。そのための布陣は整ったか。2012年6月の社長就任から8カ月が経過した鵜浦社長に今後の戦略を聞いた。
昨年6月の社長就任から8カ月が経過した。手ごたえを感じたことは。

一つは社長就任時にスローガンとして掲げた「ネクストバリューパートナー(Next value partner for Transformation by Total solution)」の評判が高い。2月末にスペインのバルセロナで開催された「MWC(Mobile World Congress) 2013」に行ってきたが、このスローガンは海外の通信事業者やクラウド事業者にも受けが良かった。ある種、私の思いを言葉にしたものだが、通信事業者としてのビジネスが現状のまま続くわけではなく、変わらざるを得ないことを理解してもらえた。
昨年11月の中期経営戦略では「クラウドサービスのグローバル展開強化」という方針を打ち出した。今準備していることは。
海外でクラウドサービスを展開するに当たり、NTTグループとしての統一ブランドを立ち上げる予定だ。部分部分の付き合いがある海外ユーザーは既に2万を超えている。その付き合いをもっと深堀りしていくためには統一的なブランドが必要だと判断した。
統一ブランドはNTTのクラウドがユーザーにとってバリューがあるということが伝わるイメージで考えている。一方でNTTというブランドは、英国の調査機関から高い評価を得るなど、海外でも既に浸透している。あえて難しいブランド名にしなくてもいいと思っている。NTTを冠したシンプルなものでいこうと今は考えている。