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 ソニーは、2012年から2013年にかけて開催されたグローバルコンテスト「Multi-Screen UX Competition」への協賛や開発者向け情報の提供などを通じて、サードパーティ開発者との関係作りや活動支援に取り組んでいる。コンテストを通じて得た開発者への期待感や、メーカーと開発者の今後の関係作りの方向性などについて、キーパーソン2人に聞いた。

(聞き手は菊池 隆裕=ITpro

コンテスト活動を振り返り、特に印象的だったことを教えてください。

ソニーの小林弘明氏(右)と石井眞氏(左)
ソニーの石井眞氏(左)と小林弘明氏(右)
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小林 社外のデベロッパーの方々には、予想どおりスピードを感じました。1月のCES(2013 International CES)と2月のMWC(Mobile World Congress 2013)の両方に出展されたアプリでも、CES後に機能が追加されて印象がずいぶん違ったものになった作品がたくさんありました。わずか1カ月強しか時間がなかった中で大きく進化させるところは、さすがだなと思わせるものでした。

 また、今回は、アプリケーションだけでなくハードウエア・アクセサリーを活用した提案もありましたが、とても興味深かったです。

 MWCで新顔だったCybronicsが提供する「LifeShow Player」では、パソコンやタブレットなどの端末がNFCタグを読みこんで個人や写真ファイルを識別、自動投稿・閲覧できる機能がありました。NFCタグへの書き込み・他の端末での読み取りというユースケースは、実際にデモしてもらうととても分かりやすいものでした。

 Beatroboが開発中の「Beatplug」もアクセサリーを使った提案でしたが、これには驚かされました。楽曲のプレイリストを、イヤフォンジャックに挿す“プラグ”の交換で実現するもので、実際にはクラウドを活用しています。とても分かりやすく、同時に新しい提案でしたが、このような形のハードとクラウドの連携は今後も期待したいです。

石井 私もデベロッパーの方々のスピードに加えて、Androidがオープンプラットフォームとして浸透したのだと感じました。反省点としては、Windowsなどほかのプラットフォームとの連携です。ソニーとしては、OSよりも上のレベルでの開発プラットフォームの提供が必要なのかと思いました。連携機能をクラウド側に持つことで、マルチスクリーンを連携した面白いサービスが出やすくなるのではないでしょうか。

 私もBeatplugには可能性を感じました。米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの石井裕教授が「タンジブル・コンピュータ」を提唱していますが、手に触れられるモノの価値は高いと考えます。アプリ単体で収益を上げるのは厳しい状況にありますが、モノがあるとユーザーにお金を払ってもらえる可能性が増え、その結果、デベロッパーを含めて経済性がより健全になっていき、さらにデベロッパーが増えてくる、といういいスパイラルに入ると思っています。

 ソニーモバイルコミュニケーションズが提供するSmartWatchや、CESで展示したFitbitの活動量センサーなど、ソニーが提供する機器との組み合わせで「1+1」が3にも4にもなるユーザー体験を届けられるものを期待しています。