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 データセンター(DC)内のネットワークは、サーバー仮想化によってリソースをダイナミックに消費するという環境に対応しきれないという課題を抱えているケースがある。米ニュアージュネットワークスは、Software Defined Networking(SDN)を活用して、多数のアプリケーションに必要なネットワークサービスをすばやく提供することの重要性を指摘する。同社のカンデカーCEO(最高経営責任者)に聞いた。

(聞き手は山崎 洋一=日経NETWORK

SDNに取り組み始めたきっかけは。

米ニュアージュネットワークス CEO スニル・カンデカー氏
米ニュアージュネットワークス CEO スニル・カンデカー氏

 クラウドコンピューティングの時代に、ネットワークに必要とされるのは高度な自動化だと分かってきた。自動化は、データセンターのネットワークに欠けている要素だった。データセンターのネットワークは、コンピュータ側からかなり後れを取ってしまった。コンピュータ側で仮想化が実現し、VM(仮想マシン)がセルフサービスポータルを介して使えるようになったにも関わらず、ネットワークに関してはいまだに企業向けの装置を積み上げて使っており、スパニングツリーのようなプロトコルを使っている。それらは、大規模なマルチテナントの世界にはそぐわない。

 仮想化によってエンドポイントの数は爆発的に増え、それに伴ってコネクションの数も爆発的に増えた。VMは使うときに立ち上げて、不要になったら落とす。そのためネットワークに接続する期間も変わってきたし、アプリケーションごとの要件も異なる。ネットワークに、多次元的なインパクトがかかってきたのだ。それにも関わらず、データセンターのネットワークはいまだに立ち止まったままで、クラウドコンピューティングの進化を阻害してきたといえる。クラウドコンピューティングが真価を発揮するには、ネットワークを邪魔な存在から有利な存在に変えないといけない。

 ネットワークのボトルネックは、まずプロビジョニングが厄介な点だ。VMが起動したネットワークに障害が発生すると、デバイスごとに再設定しなくてはならないし、古い設定もデバイスごとに取り下げなくてはならない。このような手法だと、自動化レベルが高いモデルはサポートできない。

 ただよく見ると、この問題は解決しているのではないかと思えた。携帯電話は電源をオンにするとすぐに、通話ができショートメッセージを出せるし、Webブラウジングもできる。ほかの人に電話をかけてもらって「設定してください」と頼む必要はない。電源を投入された瞬間に、ポリシーサーバーにイベントが送られてユニークなIDを識別するといった処理が実施され、「Aという人は、この携帯電話会社のサービスに加入していて、サービスレベルはこうで、ローミングも可能で海外の携帯電話事業者のネットワークにはこうやってつなげてあげるべきだ」といったことをやっている。それも、何百万台という端末に関してだ。同じ処理を仮想マシンでもできないはずはない。

 ネットワークが提示するコネクティビティ(接続、接続性)が非常に制約されているのも問題だ。他社のSDN関連ソリューションには、そうしたものがある。「データセンターの何台かのラックの中でつながる」「データセンターの中だけでつながり、いくつものデータセンターの間ではつながらない」「シームレスに企業側のVPNにつなげられない」といったケースがある。ごく初期のSDNは、そういう形態だった。