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 米セールスフォース・ドットコムは2013年10月30日、国内でクラウド型名刺管理サービスを提供するSansanに出資したことを明らかにした(関連記事)。セールスフォースはSansanに限らず日本において、いわゆるBtoBのビジネスを展開する数多くのベンチャー企業に出資している。同社COO(最高執行責任者)のジョージ・フー氏に同社の出資に関する考えや今後の展開について聞いた。

(聞き手は大谷 晃司=日経コンピュータ


セールスフォースがベンチャー企業に出資する際の目的やポイントは。

米セールスフォース・ドットコムCOOのジョージ・フー氏(左)と同社が出資したSansanの取締役 Sansan事業部長の富岡圭氏
米セールスフォース・ドットコムCOOのジョージ・フー氏(左)と同社が出資したSansanの取締役 Sansan事業部長の富岡圭氏

 我々が出資する際に重視するポイントは三つある。一つは我々の戦略と合致していること。技術やサービス、さらには営業やマーケティングといった点などだ。二つめは、顧客の目から見てその企業のテクノロジーが革新的であるかどうかということ、そして三つめはその企業の経営陣を見る。起業家的であるかどうか、これから先も革新性を持ち続ける経営者であるかどうかといった点だ。

戦略が合致するという点をもう少し詳しく聞きたい。

 まずその企業の製品やテクノロジーが我々の提供する技術、サービスに近接しているかどうかを見る。我々の持っているコアテクノロジーとはつながってはいるが、最小限の部分で重なっている、といった具合だ。

 またサービスの場合は、(セールスフォースのアプリケーション販売サイトである)「AppExchange」でつながっていることも挙げられる。そうすれば、その企業のサービスに対する顧客の声を聴くことができる。例えば(今回出資した)Sansanに関しても、既に多くの顧客が存在しており、(我々のサービスを)強化できるといった声もあり、それによって検証ができる。

「近接する」というのは(セールスフォースのPaaSである)「Force.com」や「Heroku」を使っているということか。

 出資する企業に関して常にそうだとは限らない。もちろん、我々のプラットフォームを使ってサービスを構築している企業に出資することもある。例えば(勤怠管理や工程管理のクラウドサービスを提供する)チームスピリットや、(商談管理サービスを提供する)米APTTUSなどだ。

 別のテクノロジーを使っている企業に出資することもある。その場合はこうした企業が持っているテクノロジーを我々のプラットフォームに移動してもらう、移動するように説得する、といったことに主眼を置いている。いずれにせよ、出資に関してはそれぞれのケースがユニークだ。

 出資の初期段階でフォーカスするのは、その企業が持っているテクノロジーであり、我々の顧客と協力できるかどうか、といったことだ。中長期的には我々の戦略をサポートするものであるか、顧客志向であるか、そして将来にわたってテクノロジーが成長し、開発され続けていけるかといったことを重視する。

 例えば(2010年にセールスフォースとサービス開発および販売協業で資本・業務提携した)シナジーマーケティングは非常にいい事例だと思う。既に出資をしてから数年が経過しているが、当時と比べてテクノロジーも向上し、ソリューションも増えている。我々のイベントにも出展しており、結果として我々の顧客へのサポートも手厚くなっている。それが我々の出資、投資のパワーだと思う。