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 マレーシアは国家事業の一つにICT産業を据えており、外国企業の誘致に積極的だ。現地法人を設立して「MSCステータス」を取得すると、10年間の法人税免除や外国人の知的ワーカーなら就労ビザ取得が容易になるといったインセンティブを用意している。マレーシアの政府機関、マルチメディア開発公社のインフォテック・ディビジョン リージョナルマネージャーのラフィ・アズナル氏に、マレーシアのICT産業について聞いた。同氏は「マレーシアはASEANのハブとしての役割だけでなく、イスラム国家なので中東市場への玄関口としても役立つ」と話す。

(聞き手は大山 繁樹=ITpro

日本企業にとってマレーシア進出のメリットは何か。

写真●マレーシアの政府機関、マルチメディア開発公社のラフィ・アズナル氏
写真●マレーシアの政府機関、マルチメディア開発公社のラフィ・アズナル氏
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 シンガポールなどと比べ、給与水準などの運用コストが半分程度と格段に安いことが挙げられる。地震や台風といった災害は少ないし、政治や経済も安定している。

 勤勉かつ高学歴、トレーニングが可能な人材も豊富だ。ASEANの中核に位置する多言語国家であり、英語や中国語、マレー語など多くの言語に対応できる。

 さらにASEANのハブとしての役割だけでなく、イスラム国家なので中東市場への玄関口としての役割も見逃せない。

 日本ではあまり知られていないかもしれないが、中東とマレーシアは人の行き来が非常に多い。中東から大勢の観光客がマレーシアを訪問しているほどだ。両地域につながりが深いため、ASEAN市場だけでなく、中東市場も視野に入れることができるのではないか。

国家としてICT産業を重視し、外国企業の誘致に積極的だが。

 先進国入りを目指す「デジタル・マレーシア」を提唱して、国家事業の一つとしてICT産業の発展を計画しているためだ。マレーシアには1800社以上のICT企業があり、約4割が外国企業である。それだけ外国企業の誘致が非常に重要になっている。このためにマレーシア政府として用意しているインセンティブが「MSCステータス」だ。

 MSCステータスでは三つの分野を想定している。私が担当する「インフォテック・ディビジョン」は主に情報システムの研究・設計・開発、導入や技術サービス・サポート、販売やマネジメントなどを行うICT企業がカバー範囲である。このほかの二つの分野はコンテンツ関連やアウトソーシングなどのサービス関連で、そうしたICT企業にも期待している。