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オープンソースは安いと言うが、「ハードウエアもソフトウエアもまとめて1社で提供するほうがTCO(Total Cost of Ownership)で考えると結局安い」という主張もある。そうした主張についてはどう考えるか。

 顧客からそうした話は聞いたことがない。海外だとそんなことを言っているのはベンダーだけだ。「このアプリケーションはこのベンダーが安い」と上から下まで垂直的にそろえていき、そうしたシステムがたくさんできていくと、結局高くなってしまう。共有化もできない。これは歴史が語ってきたことだ。

 それにクラウドの世界とは180度違う方向性だ。クラウドはインフラをシェアして安くなるのであって、シェアしないでコストばかり積み上げる垂直統合なんて、クラウドの世界ではあり得ない。

では、そういう主張をするベンダーが言っていることはおかしいということになる。

 そう主張するベンダーが言うことが、すべて嘘というわけではない。だがそういった企業の主張は、いい冷蔵庫を作るために、冷蔵庫を運ぶトラックも特注にし、冷蔵庫を運ぶトラックのために道路まで特注にするようなものだ。同様にテレビのためにも特注のトラック、道路を作っていったらどうなるのか。世の中はそういうものではない。

 これは次世代のコンピューティングにも言える根本的な問題だ。クラウドで大切なのは、アーキテクチャが共通で、標準の製品が出てくること。だから様々なアプリケーションが標準のインフラで使える。単独ベンダーでそろえた垂直的なものを作ると、クラウドには載せられなくなってしまう。

米マイクロソフトとはどういった関係にあると認識しているのか。

 我々はサーバー分野では真っ向から戦うつもりだ。TCOを含め、勝てると思っている。そしてクラウドの分野でも戦う。すべてのイノベーションはオープンソースで始まっており、我々のほうが優位性がある。

 ただ、すべての分野で戦うのではなく、デスクトップやモバイルデバイス分野では協業していく。利用者のことを考え、相互運用性を持たせる必要があるからだ。

マイクロソフトもWindows Azureを自分たちで運用するようになり、開発スピードも速くなるなど、クラウドの世界で力を付けてきているという声がある。

 シェアの伸びはLinuxのほうが高いし、LinuxからWindowsに乗り変えることは考えにくい。例えば、米セールスフォース・ドットコムは我々の非常に大きな顧客で、彼らがWindowsに乗り換えるなんてことはあり得ない。アマゾン・ドット・コム、グーグル、フェイスブックといったWeb2.0の企業についても、Windowsに移行することは考えられない。こうした状況からも、クラウドの世界ではオープンソースソフトウエアが優勢だというトレンドは明らかではないか。