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2011年秋の粉飾決済発覚で経営危機に陥ったオリンパス。ガバナンス改革やソニーとの資本提携、カメラ事業の構造改革などを進めて危機を脱し、2013年7月に1000億円以上の公募増資に成功した。内視鏡事業を軸に攻めに転じようとするが課題も残る。金食い虫と化したERP(統合基幹業務システム)もその一つ。笹宏行社長にこれまでの取り組みと課題を聞いた。

(聞き手は木村 岳史=日経コンピュータ 編集委員)

2011年の粉飾決算発覚とその後の改革について、現在の経営トップとしてどのように総括していますか。

笹 宏行(ささ・ひろゆき)
1982年3月に早稲田大学大学院理工学研究科機械工学専攻修士課程を修了。同年4月にオリンパス光学工業(現オリンパス)に入社。2001年4月に内視鏡事業企画部長。05年4月にオリンパスメディカルシステムズの第1開発本部長、07年4月に同社のマーケティング本部長。07年6月にオリンパスの執行役員とオリンパスメディカルシステムズの取締役に就任。12年4月より現職。1955年9月生まれの58歳。(写真:陶山 勉)

 不祥事を受けて設置した第三者委員会で指摘された通りで、人事や報酬などで社長の専横を許す仕組みが問題でした。改革のポイントもそこにあります。取締役会と経営の執行を分離し、役割を明確化しました。執行役員は現場の業務を含め執行に責任を持ち、取締役会が監督する。社外取締役を半数以上にして、内々で勝手なことができないようにもしました。

 役員人事については、指名委員会を作りました。その過半数は社外取締役で、委員長も社外取締役です。報酬委員会も同様の体制です。コンプライアンス委員会も作りました。これらの改革により、監督、人事、報酬の面で透明性を増し、社長の独断で動かせないようにしました。

 事件の後、東京証券取引所により、内部統制などに問題があるとして当社の株式が「特設注意市場銘柄」に指定されましたので、財務と経理を中心に内部統制も強化しました。SOP(標準作業手順書)を見直し、財務と経理でけん制が働くようにしました。結果として、1年という比較的短い期間での指定解除につながりました。