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写真2●産業技術大学院大学のの中鉢欣秀産業技術研究科 情報アーキテクチャ専攻准教授
写真2●産業技術大学院大学のの中鉢欣秀産業技術研究科 情報アーキテクチャ専攻准教授
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中鉢:私は2003年~2004年頃に国際協力機構(JICA)のプロジェクトで、ベトナムのハノイにいた。開放路線に向かっている最中で成長の可能性を感じたし、国としてIT人材を育成していこうという方針もあった。

 プログラムを実践するうえでは、ベトナムは日本から地理的に近く、時差が2時間しかないというメリットもある。例えば、授業の実施を日本の午後7時に設定した場合、ベトナムでは午後5時。ちょうど良い時間帯になる。

授業の内容は。

中鉢:日本とベトナムの学生が共同で、一つの成果物を作り上げることを目標にしている。2009年度と2010年度はWebアプリ。2011年度は、ベトナム側の学生が多く集まったので、3チームで実施した。2チームはWebアプリの開発、1チームはAndroidを使ったロボット制御に取り組んだ。

 2011年度からはアジャイル開発のスクラム手法を取り入れている。2012年度には、スクラム手法の教材を作成し、ベトナムに持っていって実践してもらう形を採った。

アジャイル開発を取り入れた理由は。

中鉢:国をまたいだシステム開発には、アジャイルが向いていると考えているからだ。中国や韓国、ASEANが発展している中、日本は現地市場に受け入れられるソフトウエアを売り込む必要がある。

 現地市場に詳しいのは当然、現地の人間だ。日本側が指示したとおりのものを作ってもらうより、現地側の意見を取り込みながら開発する手法を身につける必要がある。

 ベトナムにとっては今後、人件費が上昇してオフショア開発の請け負いが難しくなった際、ベトナムのIT人材が自国のマーケットを対象としなければならない。アジャイル開発の要諦は、IT技術者がいかに直接、市場ニーズを汲み取れるかにある。そのスキルを磨くことにもつながる。