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 このところ、Bluetooth Low Energy(BLE)規格に準拠したBeacon(無線標識)が、多くのスマートフォン・アプリ開発者の関心を集めている。Beaconを使うことで、特定の場所に近づいたときに、あらかじめ用意しておいた情報をスマートフォンにプッシュ送信できる。想定される利用方法や潜在顧客の反応、今後の発展見通しなどを、Beacon事業を手がけるACCESSの石黒氏と山田氏に聞いた。

(聞き手は菊池 隆裕=日経BPイノベーションICT研究所

ACCESS最高技術責任者(CTO)の石黒邦宏氏(左)と同社スマートデバイス事業部スマートセンサー事業推進室 室長の山田淳一氏(右)
ACCESS最高技術責任者(CTO)の石黒邦宏氏(左)と同社スマートデバイス事業部スマートセンサー事業推進室 室長の山田淳一氏(右)
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ACCESSも、このところBeacon事業に力を入れています。どのようなきっかけでこの事業を始められたのでしょうか。

石黒 実は、ゴルフのスイングをチェックするためのアプリである「Fullmiere」(フルミエール)の開発がきっかけでした。フルミエールは、Bluetooth通信により、スイングの状態を手元のセンサーが感知し、Bluetoothとスマートフォン経由でクラウドに送信し解析してくれるというサービスです。

 この開発の延長で、デバイス側に強いBraveridge(ブレイブリッジ)との協業によって、Beacon、スマートフォン向けのサンプルアプリ、クラウドサービスというBeaconのトータルソリューションとして提供することになりました。

どのような利用形態を想定されていますか。

石黒 お店を訪問したとき、特定の商品に近づくと、Beaconからその商品の説明コンテンツがスマートフォンにプッシュ通信されるような用途を考えています。このほか、スタンプラリーやポイントカードなどへの展開も考えられます。2013年9月に米アップルが「iBeacon」を発表して以来、日米で盛り上がっており、様々な使い方を模索中という状況です。アップルは、オンラインで注文した商品を店頭でピックアップするような使い方を提案しています。商品を注文したユーザーが、スマートフォンを持って来店すると、お店側がそれを認識して商品を用意することができます。

 ACCESSとしては、Beaconからクラウド上のサービスまで、トータルで提案できることが特徴です。サービスインまでの時間が短縮できます。

反響はいかがでしょうか。

石黒 発表してから1カ月半時点で、85社と話をしています。予想では小売店が多いと思っていましたが、広告代理店などのサービスプロバイダーからの問い合わせが多いようです。このほか、イベント運営企業、通信事業者、鉄道事業者などからも引き合いがあります。

 顧客になりそうな方には、Beaconソリューションの説明として「スマホの画面を“染められる”」と言っています。特定の場所に来ると、来場者のスマートフォンの画面を所望のものに変えられる、というわけです。

 映画業界の方と話すと「そんなこと考えなかった」という反応がありました。多くの映画館では、複数の配給会社の映画を並行して上映しているので、ロビーを特定の作品の仕様に変えることが難しいそうです。そうであれば、スマートフォンの画面を変えることができれば、自分が見たい映画向けの演出ができます。

現時点ではiOS版だけです。Android版の予定はあるでしょうか。

石黒 夏くらいには、Android版も出す予定です。AndroidによるBeacon対応はバージョン4.3以降なので、どれくらいの広がりが期待できるのかが気になるところです。

売上目標はどれほどでしょうか。

山田 初年度2億円の売り上げを計画しています。100社以上、400店舗という想定です。ただ、想定した使い方とは違う形が出てきているので、整理し直さないといけないと考えているところです。

Beaconを進化させることは考えられますか。

石黒 温湿度計や加速度計など各種のセンサーを追加することを考えています。

山田 Beaconを固定するのではなく、動いているものにBeaconをとりつけるという発想もあります。例えば、家畜にBeaconを取り付けると、酪農家が倉庫の温度管理や家畜の動きを管理できるようになります。