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写真●公益財団法人共生地域創造財団 コーディネーターの小笠原啓太氏
写真●公益財団法人共生地域創造財団 コーディネーターの小笠原啓太氏
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 東日本大震災が発生した2011年3月、多くのIT企業が「クラウドサービスの無償提供」「PCの寄付」といった緊急の支援策を打ち出した。その中には、被災地で大いに役立ったものがある一方、有効利用に至らなかった例も多い。

 既に震災から3年が経過し、ITに求められる支援の中身は変化している。中長期的な被災地支援の一例として、タブレットを活用した被災地住民の「見守り」事業を展開する、公益財団法人 共生地域創造財団 コーディネーターの小笠原啓太氏(写真)に、現地で求められるITの役割を聞いた。

(聞き手は浅川直輝=日経コンピュータ

震災直後は、どのようなIT支援が被災地で役に立っていましたか。

 印象で言えば、震災以前からCSR(企業の社会的責任)活動に積極的だったIT企業の支援ほど、有効に機能していました。

 例えば、NPO法人などの非営利団体にソフトウエアを寄贈するTechSoup活動に参加していた日本マイクロソフトなどの企業は、担当者が非営利団体と日ごろから付き合いがあり、信頼関係を構築していました。こうした企業は、震災直後に現地入りした非営利団体を経由してPCやソフトウエア、クラウドサービスを提供することで、うまく現地のニーズにマッチする支援ができていました。

 単にITインフラを提供するだけでは、有効な支援になりません。現地のサポート体制とセットになっているかが決定的に重要です。あるIT企業は、地元で定期的にIT講習会を開いていた団体にPCを寄贈することで、PCをサポートとセットで提供できていました。

 

なるほど、それは非営利団体と付き合いがある企業ならではの支援ですね。

 非営利団体の側も、普段から付き合いのあるIT企業のソフトやクラウドサービスに習熟していることが多いのです。例えば「支援物資の仕分け状況をデータ化して共有したい」といった場合も、メンバーにPaaS上のシステム開発経験がある技術者がいれば、すぐにシステムを構築できます。