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改めて前期を振り返って、iPhoneの導入効果は大きかったのか。

 当初は高をくくっていた面があったが、導入以前はiPhoneがないことを理由に転出する顧客が目に見えるように増えていた。さらには、iPhoneをきっかけに子供が転出すると、親も一緒に転出してしまう「共連れ現象」が出てきた。iPhoneを熱望するユーザーが転出することはそれなりに覚悟していたが、子供に教えてもらえるという理由で母親まで転出してしまう状況は、さすがに見逃せなくなってしまった。「顧客が望んでいるものを売らないのは我々として間違っている」というのが最終的な判断になる。正しかったと思う。実際、iPhoneの導入後はポートアウトの比率が明らかに下がり、解約率も低下した。

逆に、iPhoneの導入効果で物足りなかった部分はあるか。

 実は、iPhoneがないことを理由に転出した顧客が、ある程度は戻ってくれると期待していた。様々なキャンペーンや優遇策を用意することで実際に戻ってくれた顧客もいたが、期待したほどではなかった。残念なことに携帯電話会社はどこでも構わないからiPhoneが欲しいという層が想定より多く、携帯電話会社を積極的に戻してまで使おうとはならなかった。これは、我々のブランド力が気付かぬうちに低下していたことの証しでもあり、反省している。

iPhoneに関しては、機種変更でも実質負担額0円と異例の措置を取った。月々サポートの負担が重くなるだけの印象だが、まだ続けるのか。

 基本的にノーコメントだが、月々サポートの後年度負担を減らすという意味では、そろそろ見直してもよいと思う。我々が他社に比べてその部分だけ踏み込んだのは、iPhoneの販売では最後発に当たるから。これまでずっと我慢してきて、すぐに取り替えたいというユーザーは多いはず。にもかかわらず、(NTTドコモでの)機種変更は数万円で、他社に転出すれば0円となれば、おかしなことになる。これまで使い続けてくれたユーザーへの御礼も兼ねて、どうしても同じにする必要があった。それだけ特殊な端末だった。