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4月に日本オラクルの社長兼CEO(最高経営責任者)に就いた杉原博茂氏は、データベース(DB)依存からの脱却とクラウドシフトを明言する。日本HP在籍時に批判した、オラクル製品によるユーザーの“ロックイン”については、導入後のビジネス創出への貢献によって期待に応えていくと強調する。

(聞き手は吉田 琢也=日経コンピュータ 編集長)

社長就任にあたって、米本社のラリー・エリソンCEOからは何を求められましたか。

杉原 博茂(すぎはら ひろしげ)氏
1982年4月、フォーバル入社。インターテル、EMCジャパン、シスコシステムズを経て、2010年3月に日本ヒューレット・パッカード入社、常務執行役員 エンタープライズインフラストラクチャー事業統括。13年10月、米オラクル入社、シニア・バイスプレジデント グローバル事業統括。14年4月、日本オラクル 代表執行役 社長兼CEOに就任。1960年大阪生まれの53歳。(写真:村田 和聡)

 何か具体的な指示があったわけではありません。ただ、オラクルに新しい風を吹き込んでほしい、ということは、はっきり言われました。

 私が昨年10月に米オラクルに入社して3週間ほど経ったころ、ラリーの自宅でランチを食べながら意見交換する機会がありました。その時、日本オラクルの今後について自分なりに考えていたことを伝え、こう尋ねたんです。「データベース(DB)の会社から、クラウドのナンバーワンの会社になる。そして新しいものをどんどん生み出してお客様に提案できる、イノベーションの会社になる。この考え方で間違っていないですね?」と。