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 米DELLは2014年1月、ネットワークスイッチ構築用のLinux OSである「Cumulus Linux」の再販契約を、米Cumulus Networksとの間で交わした。DELLのスイッチ機器にCumulus Linuxを搭載して市場に投入している。DELLでネットワーク製品戦略を担当するAdnan Bhutta(アドナン・ブッタ)氏に、DELLがCumulus Linuxを取り扱う背景を聞いた。

(聞き手は日川 佳三=日経コンピュータ

Cumulus Networksとの契約内容は。

米DELL、Open Networkingグローバル戦略担当、Adnan Bhutta(アドナン・ブッタ)氏
米DELL、Open Networkingグローバル戦略担当、Adnan Bhutta(アドナン・ブッタ)氏

 Cumulus Linuxの再販契約だ。売り方としては、OS単体ではなく、DELLのスッチハードウエアに搭載して売る。

 Cumulus Linuxを搭載できるスイッチハードウエアとして、現在のところ2機種を用意した。ToR(トップオブラック)スイッチの「S4810」(10GbE×48、40GbE×4)と「S6000」(40GbE×32)だ。いずれも2013年末から2014年初頭にかけて日本国内で出荷を開始した。

 S4810とS6000には、スイッチ用のOS「Dell Networking OS」(FTOS)と、今回のCumulus Linuxの、2種類の異なるOSが載る。これらのうち好きなOSを選んで使うことができる。

OSの選択肢を増やした理由は。

 サーバー機の世界では好きなOSを選べる。用途やスキルに合わせて、WindowsやLinux、UNIXなどを使い分けている。ネットワークスイッチの世界も同様に、用途やスキルに合わせて好きなOSを選べるべきだ。

 こうした背景からDELLでは、スイッチ向けOSであるDell Networking OSと、LinuxそのもののCumulus Linuxの二つの選択肢を用意した。用途やスキルに合わせて、これらを選べるようにした。OSの選択肢は、今後さらに増やす予定だ。

二つのOSはどう住み分けるのか。

 Dell Networking OSは、DELLにおける現状でのスイッチ機器の標準OSだ。DELLの全てのスイッチ上で動作する。スイッチに必要な機能を網羅しているので、既存スイッチとの接続性を重視するケースに向く。Cisco IOS互換のユーザーインタフェースを持っており、ネットワーク管理者には使いやすい。

 最新版のDell Networking OS 6はLinuxベースであり、従来バージョンはBSDベースだが、ユーザーにはLinux/BSDベースであることが分からないようになっている。Linux/BSDのシェルは開放しておらず、スイッチの設定操作はIOS互換のユーザーインタフェースに限られる。

Cumulus Linuxの用途は。

 SDN(ソフトウエア・デファインド・ネットワーキング)などを好むLinuxユーザー層には、Cumulus Linuxが向く。システム管理者にLinuxシェルを開放しているため、Linuxのスキルだけでスイッチを設定/運用できる。Linuxそのものであるため、必要に応じてSDNソフトやクラウド運用ソフトなどのユーザーアプリケーションを使える。

 現状では、Cumulus Linuxの用途は限定的だ。動作するハードウエアも一部に限定されており、全てのスイッチの上で動作するわけではない。

いずれは同一スイッチ上で自由にOSを選べるようにするのか。

 今後は、コアスイッチなどを含めた他のスイッチ向けに、Dell Networking OS以外のOSの選択肢を用意する。どのようなOSを用意するかはまだ公表できないが、同一スイッチ上で複数のOSを自由に選べるようにする。

ハードウエアの開発方針は。

 ただ安く作るということではない。業界標準で汎用的なASIC(特定用途向けIC)やCPUを使いつつも、独自のアーキテクチャー設計に基いてハードウエアを作り、保守部品をストックし、サポートサービスとともに提供する。

 CPUについてはx86系を使う方向だ。現実に、Cumulus Linux搭載の2機種(S4610/S6000)もx86を採用している。