仮想広域イーサネット技術を使い,広域イーサネットで構築した拠点間ネットワークを二重化した。同社では,「AppleTalk」などIP以外のプロトコルを多用している。このため,安価なレイヤー3ネットワークをバックアップ網として利用することができない。かといって,レイヤー2ネットワークを二重化すると,コストがかさみすぎてしまう。そこで広域イーサネットのバックアップ網を,インターネット上に構築した。
具体的には,レイヤー2のフレームをIPネットワーク上でトンネリングするプロトコル「L2TPv3」と,レイヤー2ネットワークを冗長化するプロトコル「STP(Spanning Tree Protocol)」を組み合わせた。これらのプロトコルを利用するために,インターネットイニシアティブが開発したルーター「SEIL」を採用。各拠点のインターネットへの窓口となるルーターをSEILに置き換えた。この構成により,単純に広域イーサネットを二重化した場合と比較して,バックアップ網の月額費用を約10%以下に抑えられた。