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写真1●小田急電鉄のプロジェクト担当者
写真1●小田急電鉄のプロジェクト担当者
プロジェクトの中心メンバーとなった小田急電鉄 グループ経営企画室の岡本裕之氏(写真左),企画財務部の川崎亨氏(同右)

 基幹システムの一部(会計および資材調達システム)をERP(統合業務)パッケージで再構築した。1965年頃にNECのホスト・コンピュータ上で構築した基幹システムは,「度重なる追加開発や改修作業で,ドキュメントもきちんと残っておらず,ブラックボックス化が進んでいた」(グループ経営企画室 情報システム担当 プロジェクトマネジャー 参事 岡本裕之氏)。また,COBOL技術者の不足や専用端末の保守期限切れといった問題も併発したため,2000年に基幹システムのリプレースに踏み切った。

 会計業務に関しては業務のスリム化を目指した。2002年1月に,アクセンチュアにコンサルティングを依頼。会計業務全般のBPR(Business Process Reengineering)を実施した。3カ月かけて業務を見直し,新しい会計システムでは,月次処理の期間を2週間から5日へ短縮することを目標とした。

 ERPパッケージは,最終的にSAP R/3とOracle E-Business Suiteの2製品で迷った。同社は,会計業務に使用するERPパッケージを基盤として,他の業務にも順次,パッケージを適用する予定でいた。また,グループ会社にも同一のパッケージを適用する構想もあった。同社の拡張計画を見据えた場合,SAP R/3はモジュール全体の基本的な構成を最初に決めておくほうが望ましく,後から任意のモジュールを追加する開発方法にはなじみにくかった。その点,Oracle E-Business Suiteは必要なモジュール単位で拡張しやすいため,同社はこのOracle製品を採用した。基幹システムのうち,人事システムと固定資産システムは,「業務の見直しが不要だったため,既存業務とギャップが少ない別のパッケージ・ソフトを採用した」(企画財務部 システム開発担当 アシスタントマネジャー 川崎亨氏)。

 基本的に2カ月単位で「基本設計」「プロトタイプ作成」「開発」「総合テスト」「ユーザー研修」を実施。2003年4月に稼働した。ただし,現時点で月次処理の期間を8~10日にしか短縮できていない。電子調達や周辺業務との連携強化により,当初の目標である5日の実現を目指す。2002年10月には,資材調達のプロジェクトも開始した。既存業務の見直しに1カ月かけたが,会計システムに比べフィット率も高く,開発工数そのものは3分の1で済み,2003年11月に稼働開始した。