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 全国に分散して設置,運用してきた100台以上のファイル・サーバーを1カ所に集約した。約4000人の社員や契約社員は,データセンターに設置した2台のファイル・サーバーにWAN経由でアクセスする。同社情報システム本部の岡平隆氏(システム基盤部 IT基盤グループ マネジャー)は,「新システムでは,他部門が作成したファイルを含めて一括で検索・閲覧できるようになる。20%程度は業務効率を改善できる」と期待する。従来は,他部門のファイル・サーバーへのアクセスを許可しておらず,自部門のフォルダやファイルにしかアクセスできなかった。

 ファイル・サーバーには,日本オラクルのソフト「Oracle Collaboration Suite」を採用した。これは,Oracleデータベース上にファイル・サーバーなどを構築するためのソフトである。アクセス権限の設定が容易な点や検索性能に優れている点が特徴だ。アクセス権限は,本人のみが閲覧,更新,削除可能なプライベート・フォルダをユーザーごとに設定できるほか,グループ単位でも,同様のフォルダを設定できる。全員が閲覧可能なパブリック・フォルダの作成も可能である。

 グループは,情報システム部門が作成したガイドラインに基づいて各部門が設定する。「プロジェクト」や「(部以上の)組織」を1グループとすることを原則とする。柔軟な運用を目指すため,業務の組織と1対1で対応しないケースも許可する。新たなグループを作成したい場合は,情報システム部門に申請し承認を得る。

 HP9000(HP-UX/PA-RISC)のサーバー2台を,MC/ServiceGuardを使ってクラスタリング構成にした。アクティブ/アクティブの構成を採り,パフォーマンスの最大化を図っている。ディスク装置はIBM TotalStorage エンタープライズ・ストレージ・サーバー(容量は数テラ・バイト)。

 システムは3月に完成し,4月から順次データを移行している。移行作業は各部門の担当者を教育した上で,部門ごとに実施する。移行期間は特に設けていないが「3カ月くらいで移行が完了する予定。業務アプリケーションが稼働しているものを除き,旧サーバーはすべて撤去できるだろう」(岡平氏)。

 すべてのユーザーがWAN回線を経由してファイル・サーバーにアクセスするため,ネットワーク・トラフィックの増加が危ぐされる。だが「ファイルを受け渡す際,メールによる添付をやめ,ファイルの保存場所を通知する運用をエンドユーザーに促す」(同氏)ことで,トラフィック増を回避できると見ている。同社の回線は,都市部の拠点が100Mビット/秒で,地方の拠点が10Mビット/秒。そのほか,1.5Mビット/秒で接続する小規模拠点もあるが,9月ごろまでに増強していくという。パイロット導入した本社と東京地区の2カ所の営業拠点ではレスポンス上の大きな問題は起きていない。