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 三菱UFJ信託銀行は、今年度中に顧客の声(VOC)を基に商品や業務を改善する体制を強化する。顧客から寄せられた苦情や要望を全行員で共有する新システムを今年6月に導入。コールセンターだけでなく、支店に寄せられた苦情や要望も行員がパソコンから入力し、本部に集約する。テキスト・マイニングを活用して、集まった情報を夜間に分類・整理し、翌朝には全社員が閲覧できるようにする。さらに今年度中には改善策の進ちょく状況を管理する機能を追加する。改善策の進ちょく具合を全社員に見せることで、顧客満足度(CS)向上に向けた改善サイクルを早めるのが狙い。同行が導入したのは、野村総合研究所が開発した「顧客の声マネジメントソリューション」である。

 これまで同行の本部には「お客さまサービス室」があり、顧客からの要望や苦情を受け付けていた。問い合わせを待つだけの受け身の姿勢であるため、対処療法的で業務改善にまでつながらなかった。

 同行は、改善にまで結びつけるためには、お客さまサービス室だけでなく、顧客の接点である店舗での要望・苦情も集約する必要があると判断した。そこで、2006年4月にVOCを活用・分析する専門部署「CS推進部」を設置するとともに、新システムを導入した。

 「サービスを改善するためには、システムが絡むなどすぐには対応できないものもある。だが生の声を改善の種として集めておくプロセスが重要」(CS推進部企画推進グループの本藤博威調査役)と語る。経営陣に対しても、2カ月に1度、CS向上委員会を開いて投資のかかる案件を中心に報告する。ここで承認を得れば、関連部門に改善の指示を出し、業務施策に反映させていく。この一連の過程の進ちょくをガラス張りにすることで、改善に対する行員のモチベーションを向上させる。「改善活動が半年経って要望に応えなければならないという意識が強まった」(本藤調査役)。VOC分析システムを活用して改善のサイクルを早めることによってCS向上を目指す。