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 オリンパスが医療、ライフサイエンス事業向けに構築したCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)システム「GAIA」が、業務効率化や売り上げ増に効果を発揮し始めた。

 同社の内視鏡事業は国内外で7割のシェアを確保していたが、医療環境の変化や病院の統廃合などの影響で、2000年ごろに売り上げの伸びが一時鈍化していた。そこで、2003年に開始した全社改革活動の一環として、医療、ライフサイエンス事業の業務改革にも取り組み、2005年半ばに「GAIA」を開発した。複数の修理拠点や事業部でばらばらに管理されていた修理や保守の情報を統合管理する。

新商品開発の一助にも

 GAIAでは修理受け付けから見積もり、修理実行、売り上げ請求に至る業務の一連の流れを独SAPのERP(統合基幹業務)システムで管理する。各修理案件の進ちょく状況を把握しやすくなり、顧客への納期回答の精度も上がった。

 従来は修理拠点ごとに異なっていた修理プロセスの標準化も進み、2006年には修理拠点を1カ所に統合して在庫管理の効率化を実現した。「修理拠点統合は以前から検討されていたが、拠点間でプロセスが異なることに加え、統合メリットを定量的に計れない問題もあった。GAIA導入で各拠点の在庫や原価の把握が容易になったことが統合を促進した」とGAIAの企画開発に当たったIT開発サポート部の石橋正行次長は話す。

 修理情報を起点に、各顧客の製品使用状況を把握できる体制も整えた。代理店制度を採用する同社では、従来は最終的にどの製品がどの医療機関に納入されたかまでを捕捉することが難しかった。内視鏡などの精密機器は修理が比較的頻繁に発生するため、修理情報を数年蓄積すれば、大多数の顧客情報をカバーできるとみている。

 蓄積された修理情報はフィールドサービスや営業の担当者とも共有し、頻繁に修理が発生する顧客には、フィールドサービスが使用法の教育に出向いたり、保守契約の見直しを勧めるなどの施策を講じている。また「各顧客が抱える課題が見えやすくなるので、問題を解決できる新商品の開発や提案などにも積極的に活用されるようになってきた」(石橋次長)など、営業面での効果も表れ始めている。大型新製品の開発などが寄与して、医療事業は再度急成長を遂げているが、GAIAの貢献も大きいとみられる。