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写真1●沖縄県に設置したカルビーのバックアップ・システム
写真1●沖縄県に設置したカルビーのバックアップ・システム
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写真2●沖縄県庁で会見するカルビーの中田社長(左)
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 カルビーは、基幹システムのデータをほぼリアルタイムでバックアップできる拠点を沖縄県浦添市に開設した。川崎市にあるデータセンターと連携させ、災害時における事業継続性を高める。バックアップ・センターは沖縄電力系列のデータセンター事業者、ファーストライディングテクノロジー(FRT)の施設に設置、11月27日から稼働を始めている(写真1)。

 28日に現地で開いた記者会見に出席したカルビーの中田康雄社長は、「従来のシステムは一極集中型。ITの重要性が高まるにしたがって、災害やトラブルに起因する事業リスクが大きくなってきた。今回、沖縄県の産業誘致もあり同県にバックアップ・センターを設置することにした。これでやっと安心できる」と述べた(写真2)。

 カルビーはメインのデータセンターを川崎市に置いている。このうち従来バックアップとして使ってきたシステムを、そのまま沖縄のセンターに移管した。バックアップの対象になったのは、SAPジャパンのERPパッケージ(統合業務パッケージ)「R/3 4.6C」を使った財務会計、管理会計、販売管理、在庫/購買管理、人材管理、などのシステムで、日本ヒューレット・パッカード製のIA-64サーバー「Integrity rx」で稼働させている。

 平常時には、首都圏からリアルタイムでバックアップ・センターに基幹系システムのデータを複製する。災害時には、栃木県にある事務センターから、沖縄のバックアップ・センターにいるFRTのスタッフに切り替えを指示。「データの保全性を確認しながら4時間以内に、被災から最低でも30分前の状態に戻せる」(カルビーの戦略グループIT企画グループの梶ヶ野恭行リーダー)。実際には、被災から数分前の状態に復元することも可能だという。

 カルビーは、日本版SOX法で上場企業に事業継続に関する統制が求められるようになると判断し、バックアップ・センター構築の準備を進めてきた。設置場所に沖縄県を選ぶ際には、「地震による災害が極めて少ない」(カルビーのフィールドサポートセンター情報システム運用チームの西村良彦氏)との条件も考慮した。

 さらに沖縄県の政策も後押しした。約1600キロメートル離れた川崎と沖縄のセンターは100Mビット/秒の専用回線で結んでいるが、基幹回線の部分は、沖縄県が産業誘致のため無料で提供している。カルビーは東京と沖縄の各接続点までのアクセス回線の費用だけを負担する。沖縄県によると、「回線の予算は2007年度までとなっているが、その後、無料提供を止めるかどうかは決めていない」という。

 バックアップ・センターの構築やストレージ・システムの導入などは日本HPが担当した。カルビーは投資額を公表していないが、年間10億円程度の情報システム予算の範囲内で構築しているという。「沖縄に各種のサーバーを移していくことで、情報システム全体の運用費用を削減できる」(カルビーの梶ヶ野リーダー)としている。