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 総務省は10月末、職員を対象にシンクライアントを活用したテレワークを始めた。対象は、介護・育児を目的とした在宅勤務を希望する職員になる。これまでもテレワークを試行したことはあったが、「今回は恒久的に実施する。今後、他の省庁や地方自治体に広げていきたい」(情報流通高度化推進室の藤本昌彦室長)という。

 同省は情報漏洩を防ぐためWindowsターミナル サービス方式のシンクライアントを採用、アプリケーションをサーバー上で実行して、画面情報だけをクライアントに転送する。ノート・パソコンは貸与するが、通信回線費は職員が自分で支払う。

 「ブロードバンドの普及で、専用線を用意する必要がなくなったのに加え、シンクライアント技術によって、省外でもセキュリティを確保しながら仕事できるようになった」(藤本室長)。

 貸与パソコンはハードディスクを搭載するが、ディスク全体を暗号化して盗難時の情報流出を防ぐ。SSL-VPNを使った通信の暗号化も実施する。

 申請が認められたのは課長補佐以下の6人(男性4人、女性2人)だ。対象者は、同省の規定の勤務時間通り、午前9時30分から午後6時半まで自宅で業務にあたる。勤務時間を上司が把握できるように、各対象者は勤務開始時と終了時、それに休息の前後に、電話かメールで上司に連絡を入れることも義務付けた。音声携帯電話も貸与し、通信費は総務省が負担する。

 システムにかかった費用は、SSL-VPN装置や認証サーバーなどの機器代が約2000万円、システム構築費用は約2000万円。