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 同志社大学は10月、大学全体をカバーする基幹ネットワークと、教育研究支援システムを全面刷新した。

 基幹ネットワークでは、バックボーンを10Gビット/秒に、末端のエッジ・スイッチから情報コンセントまでは最大1Gビット/秒に高速化。同時に、各経路を2重化して耐障害性を高めた。大学内に設置した情報コンセントの数は1万を超える。

 教育研究支援システムについては、情報教育などを実施する教室に設置している約2200台のパソコンをすべて入れ替えるとともに、夜間も利用できるようにした。従来は教室内でしか使えなかったが、VPN(仮想専用線網)経由で自宅からアクセスし、大学のサーバーで動くシステムなどを操作できる。さらに研究用のグリッド・コンピューティング・システムも導入。日中に登録したジョブを夜間に自動実行可能だ。このために、500台のパソコンに専用のミドルウエアを搭載した。

 ユーザー管理の仕組みも一新した。ベンダー独自のパッケージから、ID管理の標準プロトコルであるLDAPベースに変更。7台のLDAPサーバーを並行稼働させることで、処理性能を上げた。従来は毎年4月に、約7000人の新入生のIDを作るのに24時間かかっていたのを2時間に短縮したという。

 刷新は日立製作所が請け負い、日立電子サービスやエクスジェン・ネットワークスなどと協力して実施した。同志社大学は構築費用を明らかにしていないが、基幹ネットワークと教育研究支援、ユーザー管理システムの合計で約20億円かかった(本誌推定)。4年間のレンタル契約で利用する。