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 光磁気ディスクや腕時計などに使うマイクロ電池を製造する日立マクセルは、2007年春から工場革新活動を全工場に拡大する。

 革新活動の柱となっているのが、MPI(マクセルプロセスイノベーション)と呼ぶ独自の生産管理手法である。経営改革手法「シックスシグマ」に、トヨタ生産方式を組み合わせた「リーン・シックスシグマ」がベースとなっている。

 先行して2006年に導入した兵庫県の小野事業所では、製造するボタン電池の在庫日数が従来の半分となる14日分に削減し、今年3月までには9日分までに圧縮できる見込みである。また、製造リードタイムも従来比で52%短縮した。小野事業所で成果が出たことにより、1月からは大阪事業所でも導入、4月からは京都事業所へ展開していく予定だ。

 同社は1998年からシックスシグマ活動に取り組んできた。「DMAIC」(定義-測定‐分析-改善‐管理)といった手法を9年間経験してきたため、課題解決能力が身についてきたという。ただし、改善の対象が各事業部内にとどまっていたこともあり、「数年間取り組んでくるなかで、壁にぶち当たっていた」とプロセスイノベーション推進本部シックスシグマ推進室の西田雅人室長は話す。MPI活動で研究開発や営業など部門を横断して取り組むことで、新たな課題を発見する能力を養うことを目指す。

 小野事業所で先行してMPIに取り組んできたのは、市場の変化により単一大量生産型から多品種少量生産型に移行する必要があったからだ。自動車のタイヤに取り付ける、パンクを未然に防ぐためのタイヤ空気圧監視システム(TPMS)に利用する電池など用途が増えてきた。これに伴い種類も増えてきた。これまでの製造側が作れるだけ作る体制から、市場が要求する量だけを作る体制に移行する必要があった。

 小野事業所は、2006年6月からコンサルタントが入り月2回の頻度で勉強会がスタート。丸一日缶詰になって改善技法などを学んだが、「有志が集まって居残って議論することも多かった」と西田室長は振り返る。こうした勉強会を各事業所で展開していくことで、改善手法を根付かせていく考えだ。