名古屋大学医学部附属業院(名大病院)は2007年1月、電子カルテ・システムを全面刷新した。年間約50万人に上る外来患者に対する診療業務を支えるシステムだ。システム刷新の狙いは、サーバーの保守作業を効率化するとともに、医師や看護師が閲覧する電子カルテの表示スピードを改善することである。
新システムは、富士通のハイエンドPCサーバー「PRIMEQUEST 580」上で稼働する。PRIMEQUESTが搭載する「パーティション」機能(1台のサーバーのハードウエア・リソースを論理的に分割し、独立したシステムとして稼働させる機能)を活用し、従来8台のPCサーバーに分散していた電子カルテ・システムを1台のサーバーに統合。サーバーの保守作業を効率化している。
ミドルウエアには、インターシステムズのオンメモリー・データベース・ソフトの「Cache」を採用。PRIMEQUESTに搭載する大容量のメインメモリー上で検索処理を実行することで、電子カルテの表示速度をシステム刷新前の約3分の1に短縮した。
医療検査の情報などを格納する部門サーバーには、富士通のブレード・サーバー「PRIMERGY BX620S3」を利用している。SAN(Storage Area Network)ストレージ装置「ETERNUS4000 モデル300」と組み合わせ、OSやアプリケーションをETERNUS4000から起動するSANブート方式を採用した。