アスクルは、商品の配送日時や状況を、電話とインターネットを介して照会できるようにするシステム「シンクロカーゴ」を、9月から稼働させる。
同社は物流業務を外部の配送会社に委託しているため、シンクロカーゴの稼働に当たって、配送会社に独自ハンディ端末を配布する。配送会社のドライバーが、集配業務中に商品の輸送状況を端末に入力し、配送状況を顧客に通知できるようにする。
これにより、「配送会社がどこであろうと、顧客は当社が扱う商品の配送状況を参照できるようになる」(アスクルの綿谷洋インテグレイテッド・カスタマ・レスポンス執行役員)。さらに「物流業務を複数の企業に委託したままで、配送状況を顧客に知らせることができるようにするには、当社がシステムを開発するのが一番早かった」(同)と続ける。
アスクルが物流業務を委託している配送会社のなかには、独自で荷物追跡システムを構築しているところもある。その場合は、配送会社のシステムから、アスクル商品の配送状況データをシンクロカーゴに集約する。
システムは日本ヒューレット・パッカード(HP)が構築し、ハンディ端末はカシオ計算機が開発した。ハードウエアには日本HP製のUNIXやWindowsを搭載する合計10台のサーバーを採用。今回のシステム投資額は10億円程度とみられる。
シンクロカーゴが稼働したことで、アスクルは同社に必要なシステムを整備する構想「e-プラットフォーム」を完了させた。アスクルは、これまでに受注システムやコールセンター・システム、営業支援システム、データ分析システムなどを02年から順次動かしてきた。