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浅野総経理がこだわったすっきり化が行き届いた組み立て工程
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 マカオにほど近い珠海にある珠海兄弟工業有限公司(珠海ブラザー)。家庭用ミシンやラベルライターを製造する同社は、数年前からトヨタ流企業改革法に基づいた改善活動に取り組んでいる。この4月から、主要な部品供給メーカー約70社を巻き込んで、活動範囲を拡大する。珠海ブラザーは、2004年から工場内の改革を進めてきた結果、家庭用ミシンの月産台数を13万台から20万7000台へ増産できる力をつけてきた。

 総経理(社長に相当)である浅野正康氏が、改革で一貫してこだわってきたのが「すっきり化」である。整然と並べられたセルの通路に、現在の生産量が一目で分かる表示板を置いたり、組み立て工程で出た不良品を回収する箱が置いてある。つまり、通路を歩けば組み立て工程で何が起きているのかが分かる。ラインに生じる問題の「見える化」を進めてきたのである。

 同社では、さらなる品質向上を目指すためには、部品を製造する取引先メーカーの協力が不可欠と判断した。「すっきり化」が行き届いた工場内部を公開し、取引先にも改善活動を進めてもらおうと考えている。浅野総経理は、「我々の取り組みを見せることで、活動を始める動機付けになってもらいたい」と狙いを説明する。

 工場の見学会は、珠海ブラザーの幹部社員のスキルアップの場にもなっている。取引先に対して、活動内容を分かりやすく説明することを繰り返すことによって、改善を指導する能力が向上するわけだ。

 ガイド役を務めるには、工場内の取り組みを深く理解する必要がある。「説明を聞けば、我々が伝えてきたことをどこまで理解できているのかが分かる」(山本博規経理)ので、改善活動の理解度を見える化する役割も果たすという。