PR

セブン-イレブン・ジャパンは店舗の運営を支える基幹系システムを中心に、BCP(事業継続計画)の強化を進めている。2006年に稼働した「第6次システム」では、東西2カ所における主要サーバーのバックアップを完了。店舗の状況を把握できる仕組みも盛り込んだ。

 セブン-イレブン・ジャパンは、大規模災害などが発生しても1万1500に上るすべての店舗の業務を止めないよう、BCPの強化を進めている。昨年5月に稼働させた第6次の基幹系システムでは、横浜のメインシステムをすべてセンター内で冗長化。店舗サーバーの停電・水害対策も施した。

 同社が大阪にバックアップ・センターを設けたのは、1998年の第5次システムを構築した際だ()。この時は、店舗データの集配信と商品発注の2システムのみを大阪に設置。第6次では、さらにバッチ処理や業務イントラネットなど8システムのバックアップ体制を敷いた()。合計10システムを東西2カ所にそれぞれ配置した形だ。重要な機能は大阪でも冗長化しているため、全体で見れば“4重化”になる。通信回線も異なるNTT局から異ルートでセンターに複数引き込んでいる。

図●セブンイレブンは「第6次システム」の導入に併せて関連する対策も強化した
図●セブンイレブンは「第6次システム」の導入に併せて関連する対策も強化した

表●セブンイレブンは昨年稼働した「第6次システム」で冗長化と地理的分散をほぼ完了した
表●セブンイレブンは昨年稼働した「第6次システム」で冗長化と地理的分散をほぼ完了した
データ配信と発注システム以外は第6次で大阪にバックアップ・システムを構築した  [画像のクリックで拡大表示]

 セブン&アイ・ホールディングス システム企画部CVSシステムシニアオフィサーの佐藤政行執行役員は、「各店舗は重要な“取引先”。1店舗も営業に支障が出てはならない」と、飽くなきバックアップに取り組む理由を説明する。

 とはいえ、全システム、全機能を4重化していてはコストが膨大になってしまう。バックアップ・センターでは重要度に応じてホット・スタンバイ、コールド・スタンバイを使い分ける。さらに、機能も絞り込む。例えば、社員の給与計算や勤怠管理、価格シールの印刷といった機能は、バックアップ・システムから外した。「給与支払いは店舗運営には影響しない。とりあえず前月と同額を支払って、後から調整すればいい」(佐藤執行役員)。

 店舗側では、6次システムに先立って2005年春に電源監視の体制を強化した。2004年10月に発生した新潟県中越地震の教訓を生かし、店舗や地域の停電状況を本部側で把握できるようにしたのだ。第6次システムでは、平時のデータを基に災害時の需要を予測して商品を供給したり(詳細は本誌2007年2月5日号の特集を参照)、水害対策として、店舗サーバーのラックを床から15cmほど“上げ底”にした。特定の手順でラックからハード・ディスクなどを抜き出し、避難もできる。今後はセブン銀行と連携し、店舗にあるATM(現金自動預け払い機)のカメラで、非常時に店内の状況を把握することを検討中だ。