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Σ21を担当する富田邦夫・上席常務執行役資材部部長

 三菱電機が、継続的なコスト削減活動で成果を上げている。「Σ21(シグマ21、Strategic Integration for Global MArketsの略)」と呼ばれる活動だ。2001年10月に第1弾の取り組みを始めてから、ほぼ2年ごとに名称を変えて継続してきた。今年4月からは、新たな2年計画「CΣ21(CはChallenge & Co-creationの略)」を開始した。一連の活動では、おおむね2年ごとに20%(半期で5%)の調達コスト削減を実現してきた。CΣ21でも20%、約4000億円のコスト削減を目指す。

 初期のΣ活動では、分野ごとに調達先を原則3社に絞り込んだり、中国やタイなどの安価な海外調達先を拡大したりする施策で効果を出した。中国と東南アジアからの調達額は、2005年3月期の年間約1400億円から、2年で1900億円程度まで増えた。ただ、こうした施策は限界に達しつつあった。

 その理由が、近年の素材価格の高騰だ。「特に銅がひどい。1日の値動きで50億円近い影響が出ることもある」(富田邦夫・上席常務執行役資材部部長)。2006年の銅価格は2005年4月に比べて1.5~2.5倍の水準で推移。三菱電機の銅の使用量は全世界で年間約9万トンあり、数百億円の影響を受けたという。

銅高騰が影を落とし目標未達

 今年3月までの2年間の「AΣ21」活動では、調達コスト低減は約14%にとどまり、目標の20%に到達しなかった。「素材高の影響を除外すればほぼ目標を達成できていた」(富田部長)

 そこで、4月からのCΣ21では、素材高への対応をさらに強化する。例えば、銅板や銅管を薄くして素材の使用量自体を減らす。既に冷蔵庫の冷却器の素材を銅からアルミニウムに変えるといった施策も実施済み。多少加工費が余分にかかっても、鉄やアルミなど別の素材に変更する取り組みをさらに進める。

 これには、部品段階から素材の検討が必要になる。そのために、調達先から素材加工の工夫などの提案を取り込む「VA(Value Analysis)活動」を強化。既に調達先からは年間6000件程度の提案があるという。VA提案によるコスト削減分のメリットは三菱電機と調達先で折半する。

 Σ活動の特徴は、「VA活動の強化」などの大方針以外は各事業部の自主性に任せることにある。「事業本部は10もあり、全社一律でやるのは不可能だが、考え方だけは統一している」(富田部長)。全社集中購買は、一部の汎用部品だけで実施し、そのほかは各工場に任せる。本社の資材部は半期に1度工場を訪問し、調達コストの削減率やVA活動の状況などを把握している。