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メディセオ・パルタックホールディングスは,2006年2月に富士通のWeb会議システムのASPサービス「JoinMeeting」を導入。設置数は2007年3月までに108システムに達した。事業拡大に伴う拠点数増加への対応や,出張にかかる交通費や人件費の削減などに一役買っている。

写真1●メディセオ・パルタックホールディングスの川嶋吉弘総務部西日本ファシリティーマネジメントグループマネジャー(後段右)と薬事情報部のスタッフ
写真1●メディセオ・パルタックホールディングスの川嶋吉弘総務部西日本ファシリティーマネジメントグループマネジャー(後段右)と薬事情報部のスタッフ

 「出張の交通費や移動時間の問題を解決したかった」。医薬品卸売最大手のメディセオ・パルタックホールディングス(メディ・パル)総務部西日本ファシリティーマネジメントグループの川嶋吉弘マネジャー(写真1)は,Web上でテレビ会議ができる富士通のWeb会議システム「JoinMeeting」を利用する目的についてこう語る。

 メディ・パルは,主に医療用医薬品卸売事業と化粧品・日用品/一般用医薬品卸売事業を展開する企業を傘下に抱える事業持ち株会社。傘下に,パルタックやメディセオメディカル,クラヤ三星堂など有力卸売企業を抱える(図1)。近年,積極的なM&A(企業の買収・合併)を繰り返して事業規模を拡大し,連結売上高は2006年3月期に1兆9217億1300万円,2007年3月期には2兆円を超える見通しだ。

図1●メディセオ・パルタックホールディングスの事業内容
図1●メディセオ・パルタックホールディングスの事業内容
連結子会社11社で構成され,連結売上高は約2兆円に達する。

 急速な事業規模の拡大に伴い,全国各地の拠点数も増加。現在は東京,神戸の二つの本社に加えて,全国に計350超の事業拠点がある。離れた拠点間の従業員が集まって会議を開くためには,出張する必要がありそれにかかる交通費などの経費は増大した。

 経費に加えて,移動時の生産性低下も問題になっていた。例えば,出張で移動に片道3時間かかるとすると,往復6時間分を移動に費やすことになり「この時間は本来の業務ができなくなる」(川嶋マネジャー)。出張しなくても済むと仮定すれば,往復の交通費を節約できる上に移動中の人件費もムダにならずに済む。これを解決する手段として,メディ・パルはテレビ会議システムの活用を検討した。

ハードと回線のコストが課題

 とはいえ,メディ・パルはテレビ会議システムをまったく導入していなかったわけではない。東京と神戸の両本社と大阪,名古屋,仙台など主要拠点の合計10カ所で,会議室に据え置くタイプのテレビ会議システムを2000年に導入していた。

 しかし,このタイプのテレビ会議システムを導入し続けるのには大きな壁があった。最大の理由は,コスト面の問題。このテレビ会議システム一式を導入するためには約200万円かかる。M&Aに伴って急増する拠点に,高額なテレビ会議システムを導入し続けることはコスト面から「現実的ではなかった」(川嶋マネジャー)。

 通信回線のコスト増にも頭を痛めていた。東京本社と神戸本社を結んでテレビ会議を行う場合は専用線を使用していたが,本社以外の拠点間はNTT東西のISDNサービス「INSネット64」で結んでいた。INSネット64は従量課金制であるため,頻繁に使うと通信コストはそれだけ増加する。

ASPでコスト問題を解決

 「今使っているテレビ会議システムは導入費用が高い。もっと安く導入できるシステムはないか」。川嶋マネジャーは,メディ・パルにテレビ会議システムを販売してきたカズヒロシステムにこう打診した。富士通の販売代理店でもあるカズヒロシステムが,既存のテレビ会議システムの代わりに提案したのが,JoinMeetingだった。

 JoinMeetingは,パソコンからインターネットで富士通のデータ・センターのJoinMeeting用サーバーに接続して利用するASP型のサービスである(図2)。画面に映像を表示して,同じ資料を共有しながらWeb上でテレビ会議ができる。出席者全員が,同じWebサイトを見たり,デスクトップを共有して資料を閲覧・編集したりすることも可能だ。固定のグローバルIPアドレスを持たなくても,セキュリティを確保したままファイアウオールやNATを越えて利用できる。

図2●メディセオ・パルタックホールディングスの事業内容
図2●メディセオ・パルタックホールディングスが導入したWeb会議システム「JoinMeeting」
ASPサービスを活用して,研修や拠点間の会議を行う。

 JoinMeetingのサービス料金は初期費用が20万円(税別),月額料金が1システム当たり1万円(同)となっている。据え置きタイプのテレビ会議システムに比べて,必要に応じて設置数を柔軟に拡大できる上に導入コストを抑えられる。1システム当たりのコストを見れば,従業員が東京と大阪を月に1回新幹線で往復するのに比べても,はるかに安い。

 また,通信コストを抑えるために,アクセス回線に定額料金でかつ高速のNTT東西のBフレッツを採用した。

場所を選ばずに利用可能

 「テレビ会議は,設置している会議室でしか利用できなかった」。川嶋マネジャーがこう話すように,据え置きタイプのテレビ会議システムはモニターと一体型であったために場所を移して利用することができなかった。これが据え置きタイプの弱点でもあった。

 これに対してJoinMeetingの場合は,ノート・パソコンにWeb用カメラと会議用マイク,プロジェクターをつなぎ,インターネットに接続すれば場所を選ばずにテレビ会議を行うことが可能だ。これらのセットはカートで持ち運び可能で,空いている会議室に運んでテレビ会議を行うことができる。こうした持ち運びのしやすさも,ユーザーにとっては大きなメリットだ。

 ASPのJoinMeetingを採用したもう一つの理由は,情報システム部門から「社内のLANとは別々にしてほしい」と要望されていたことである。メディ・パルは物流システムや受注システムなど多数の情報システムを抱えていたため,情報システム部門がこれ以上管理対象のシステムが増えることに対して難色を示したのだ。

 JoinMeetingは富士通のデータ・センターに設置したASP用のサーバーを使用するので,社内ネットワーク上に新たにサーバーを設置する必要がない。しかも,固定IPアドレスを持つ必要がなく,ファイアウオールやNATを越えてインターネットに接続して利用できるため,LANには影響を与えずに済む。「JoinMeetingは我々の潜在的なニーズに合致していた」と,川島マネジャーは語る。

薬剤師研修にも活用へ

 JoinMeetingを率先して活用しているのが,薬剤師向けの研修プログラムを企画する薬事情報部だ。

 薬事情報部は,メディ・パルのグループ企業の医療用医薬品卸売会社の研修担当者を東京本社に集めて会議を毎月1回のペースで開催してきた。

 会議の内容は,薬事情報部が作成した薬剤師向けの研修用テキストを担当者に確認してもらい,意見を述べてもらうことが主な目的だ。会議には各拠点から担当者が集まる。これが,JoinMeetingを使うことによって,出張しなくても拠点にいながら会議ができるようになった。かつては,研修プログラムの年間計画を作るために,1泊2日のスケジュールで出張することもあったが「JoinMeetingを活用することによって,わざわざ遠方から本社に集まる必要もなくなった」(メディ・パルの薬事情報部ラーニンググループの鍛冶晴通マネジャー)。

 テレビ会議では,ノート・パソコン1台を出席者で共有。ノート・パソコンの画面は,プロジェクターで映し出される。「以前のテレビ会議システムでは,プロジェクターの画面をテレビに映していたので,発言者が見えないことがよくあった」(鍛冶マネジャー)が,JoinMeetingの場合は発言者の映像が画面左端に配置され,中心にはプレゼンテーション用の資料が大きく表示される(写真2)。発言者は,遠隔地のテレビ会議出席者に対して,プレゼンテーション用資料を示しながら説明する(写真3)。

写真2●メディセオ・パルタックホールディングスの事業内容
写真2●JoinMeetingの画面
発言者(左上)がPowerPointのプレゼンテーション資料を示しながら説明する。

写真3●JoinMeetingを使った会議風景
写真3●JoinMeetingを使った会議風景

 薬事情報部は研修用テキストの企画会議だけではなく,今後は「薬剤師への研修そのものをWeb会議システムで行うことも検討する」(薬事情報部の大石茂専任部長)方針だ。薬剤師を最寄りの拠点に集めて,JoinMeetingで一斉にテキストの説明やデモを行えるようになれば,薬剤師向けの研修会を何度も開く手間が省け,研修の効率アップが期待できる。


全国で100超のシステムを導入

 メディ・パルのJoinMeetingの設置数は,徐々に拡大している。2006年2月に医療用医薬品卸売会社のアトル(本社・福岡)で導入したのを皮切りに,同年6月にはメディ・パルの本社やクラヤ三星堂などで導入。今年に入ってからも1月に医療機器・材料販売などを手掛けるメディセオメディカルで17システムが稼働し,メディ・パルのグループ企業全体のJoinMeetingの設置数は108システムに達した(図3)。将来的には,全拠点でJoinMeetingを活用する計画だ。

図3●メディセオ・パルタックホールディングスのグループ企業のWeb会議システム導入状況
図3●メディセオ・パルタックホールディングスのグループ企業のWeb会議システム導入状況  2007年1月時点で3社計108システムが稼働している(カッコ内は本社所在地)。

 JoinMeetingの用途も広がっている。メディ・パルの薬事情報部のように,東京本社と各グループ企業との間の会議で利用するケースだけではなく,社内の営業拠点間での販売会議,決算の打ち合わせ,広告に関する会議など「さまざまな会議で活用している」(川嶋マネジャー)。

 会議以外でも,幹部の訓話をグループ企業の各拠点に一斉配信するのにも役立てているという。

対面会議の代替とは考えない

 メディ・パルの全国各地のグループ企業で導入が進むJoinMeetingだが,もちろん弱点はある。テレビ会議中に,映像や音声が途切れてしまうケースがあることだ。

 JoinMeetingのASP用サーバーの混雑状況などが影響して,会議の一時中断を余儀なくされてしまうと,スムーズな会議の進行が妨げられる。「現在は日によって映像や音声が不安定になることがある。今後は安定するようになればいいのだが」と,川嶋マネジャーは期待を述べる。

 それでもメディ・パルはJoinMeetingを「確かに対面の会議に比べると劣るかもしれない。しかし,拠点間での会議はJoinMeetingで十分に対応できる」(川嶋マネジャー)と評価する。というのも,あらゆる会議でJoinMeetingに頼るのではなく,あくまでもJoinMeetingは対面会議をする必要がない会議で活用するという,用途限定の使い方にしているからだ。

 当事者が顔を突き合わせて重要な議題を話し合う必要がある対面会議では,各拠点から出張して一同に集まる。議論よりもむしろ,発言者がプレゼンテーション資料を示して一方向的に情報を発信するような場合はJoinMeetingを活用すると,割り切った使い分けをしているわけだ。