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 カルソニックカンセイでは、同社が製造する自動車部品の環境負荷を効率よく算出するためのシステムの効果が出始めている。2005年に構築した環境負荷計測システム「MDRS」がそれだ。今年7月に期限を迎える、六価クロムを使用した防錆コーティングへの対応でも効果を発揮した。

 2003年7月から欧州で乗用車などに鉛や水銀など4物質の使用を禁止する化学物質規制「欧州ELV(廃自動車)指令」が発令されるなど、化学物質の使用規制が広がっている。これに伴い、自動車メーカー各社は部品メーカーに対して、規制への適合を証明する情報の提出を要請している。この証明には、構成する部品のネジ1本まで確認する必要があるなど膨大な手間がかかる。

 システム導入前はラジエーターなど1部品当たり5時間の作業を要していたが、MDRSの稼働によって10分以内に完了できるようになった。

数百種類の原材料を調査済み

 新システムの大きな特徴は、設計担当者が利用する部品表と環境負荷情報を入力するための材料データベースを連携させたことである。材料データベースには仕入れ先からの情報提供などにより、数百種類におよぶ原材料の成分を調査して登録している。

 環境負荷を調査するには、まずMDRSに部品表から構成部品の情報を読み込ませる。ラジエーターなど納入単位の品番を入力すると、部品表から構成部品の情報を取得できる。このうち、ネジといった構成部品の最小単位に当たる部品の原材料について規制物質の有無を調査。部品と原材料を別のデータベースで管理することで、原材料の情報をほかの部品にも利用できる。

 従来は部品表と連携していなかったため、構成部品を調べることから始めなければならなかった。自動車メーカーへの情報提供方法も米EDS社が開発した「IMDS」を採用し、標準化するなど業務を効率化するための環境が整ってきていた。同社は新車や設計変更など年間約2000点の情報を各メーカーに提出しているため効果は大きい。「原材料の情報を一回登録すれば、複数の会社向けに情報を加工できるようになった」(生産本部環境管理チームの花田数実氏)という。

 次に対応しなければならないのが、欧州で2007年6月に施行されたREACH規制である。2008年には発ガン性物質などの高懸念物質が公表される見込み。この規制にも材料データベースを活用する考えだ。