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 「システム・インテグレーションは自分で手がける」。日本テレコムは1月、こうした方針に基づいて開発した社内情報システムを稼働させた。狙いは、ビジネスの変化に応じ、素早くシステムを開発・保守すること。ビジネス・ルールをプログラムから独立させるなど工夫した。

 日本テレコムの新しい開発方針は、「極力、自社社員で開発すること」、「既存システムや業務パッケージを連携させ、一からプログラミングする部分を減らすこと」である。複数システムを連携させるために、ビジネス・プロセス・マネジメント(BPM)ツール「BusinessWare」(ビトリア・テクノロジー製)と、ビジネス・ルール・マネジメント(BRM)ツール「JRules」(アイログ製)を採用した。

 新しい開発方針にそって構築したのは、通信サービスに関する対顧客業務を支援する「OSS」と呼ばれるシステムである。OSSの開発にあたって、日本テレコムの開発担当者は、顧客関連のビジネス・プロセスとビジネス・ルールを整理し、BusinessWare とJRulesに登録。これらのツールによって、料金計算など既存システムと、コールセンター用パッケージ・ソフト「Remedy AR System」(東芝情報システムが販売)を連携させた。

図 日本テレコムの社内システム開発方針の変化
図 日本テレコムの社内システム開発方針の変化
ビジネスの状況に合わせてシステムを素早く整備する狙いがある

 OSS構築のプロジェクト・マネジャを務めた日本テレコムの弥永浩情報システム本部開発第2部部長によると、「BusinessWareを利用したことで、手間のかかるワークフロー処理や例外処理、他のシステムとのデータ交換については、プログラミング作業を省けた」という。

 またJRulesを使うことで、通信サービスの割引や契約解除、消費税などに関するルールを、業務アプリケーションと分離できた。「ルールは自然言語に近い形で記述したため、アプリケーション保守効率は高い」と期待する。

 OSS構築プロジェクトには、日本テレコムのシステム担当者10人がかかわった。ピーク時30人程度の技術支援をIT企業から受けながら、要求定義から基本/詳細設計、実装作業、テストまでを担当。例えば、システム操作用のWeb画面はすべて、日本テレコムの担当者がJavaで作成した。「テスト作業の 7割は、当社のシステム担当者が進めた」(弥永部長)。

 内製化を進めたのは「上流だけでなく下流の作業にも参画しておかないと、IT企業への依存度が高まってしまう。これでは機能追加や変更をする場合に、当社が主導権を握れず、手間もコストもかさむ」(弥永部長)と判断したからだ。

 通信業界の競争が激化しており、日本テレコムは次々に新商品・サービスを投入していく必要がある。このため、ビジネス変化に合わせてシステムを素早く整備できる体制作りが急務だった。

 OSSの投資額はハード、ソフト、技術支援サービス料の合計で5億円弱だった模様。予算やスケジュールなどプロジェクトマネジメントの実務を日本テレコム側が担当した。従来のようにIT企業に開発作業を全面委託していたら、「3倍以上の開発費はかかった」(弥永部長)と見ている。