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 東京、茨城を地盤に食品スーパーを展開するエコス。都市部の各店長は毎朝、メールで商品の到着時刻を確認し、店側での荷受け作業の段取りを付ける。エコス企画統括室の境憲一郎マネジャー代行は、「商品をバックヤードで眠らせていては、中小スーパーが大手に対抗できない」と強調する。

 大手への対抗力を強化するため、同社は07年2月、仕分けした商品をトラックに積み込むためのカゴ車にICタグを取り付けた。カゴ車誤送の影響は少なくない。該当するカゴ車を誤送先から取り戻し、正しい店舗に届けることはもちろん、各店舗がメールで準備している作業手順をも狂わせる。「ICタグというITが、その可能性を減らす」(境代行)と期待する。

 ICタグ付きカゴ車を導入したのは、埼玉県所沢市に新設した物流センター。食品を入れたカゴ車をトラックに載せる際に、アンテナの下を通してUHF帯ICタグを読み取る(写真1)。積み込み場所の横にあるパソコンで、配送先店舗を入力し、ICタグのIDと合わせて管理する。配送先店舗が異なるカゴ車が混じっていると、パソコン画面にエラー表示が出る仕組みだ。

写真1●カゴ車をトラックに載せる際、行き先店舗をICタグで確認
写真1●カゴ車をトラックに載せる際、行き先店舗をICタグで確認
(写真:柳生 貴也)

 新センターが扱うカゴ車の数は、53店舗を対象にした1万5000台。1台当たり1万~1万5000円というカゴ車が、これまでは年間1000台も紛失していた。ICタグ導入には、カゴ車の紛失防止効果も期待する。紛失がなくなれば、年間1000万円以上のコストを削減できる。ICタグ・システムにかけたコストは約5000万円。経済産業省が中小企業支援策で、その半分を負担したため、紛失防止だけで、コストは約2年半で回収できることになる。

 エコスは今後、同様の仕組みを他の物流センターにも展開する。共通ソフトウエアを使うことで、各センターへの投資額も抑える計画だ。

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