オリンパスは6月18日、基幹系システムの再構築プロジェクトを完遂したと発表した。同社は2002年から約100億円を投じ、メインフレーム上で稼働していた会計や販売、物流システムを、パッケージ・ソフトを用いてオープン化してきた。
新システムの中核は、SAPジャパンのERPパッケージ「R/3 Enterprise 4.7」。オリンパスは、財務会計(FI)、管理会計(CO)、人事(HR)、販売(SD)、需要予測(APO)、在庫・購買(MM)、ポータル(EP)、情報分析(BW)、の8種類のモジュールを採用した。このほか、日立物流ソフトウェアが扱っている倉庫管理パッケージなども導入している。ハードウエアは、日本ヒューレット・パッカード製のIAサーバーなど約120台を導入。OSは用途に応じて、HP-UXとWindowsを使い分けている。
基幹系を再構築した狙いは、SCM(サプライチェーン管理)や修理・保守といった業務プロセスを見直し、事業の変化対応力を強化すること。従来は業務ごとにシステムが分かれていたため、システム間でデータを連携しにくく、全社的な業務プロセス改革が難しかった。COBOLで開発していたアプリケーションの改修にも時間がかかっていた。新システムでは、製品や部品、顧客などのマスター・データを統合したほか、パッケージ・ソフトを採用したことで、最短数週間で業務プロセスを変えられるようにした。
同社は今年9月をめどに、メインフレーム上で稼働している旧システムを全廃する。これを受け、オリンパスは今年後半から、新システムを海外拠点に水平展開したり、グローバルでのSCM改革に着手する計画だ。
■変更履歴
倉庫管理パッケージのベンダー名を「トランコム社」としていましたが,正しくは「日立物流」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2007/06/19 14:20] |
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■変更履歴
倉庫管理パッケージのベンダー名を「日立物流」としていましたが,正しくは「日立物流ソフトウェア」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2007/07/06 18:00] |
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