北海道のリゾート施設「サホロリゾート」を運営する加森観光は、敷地内で飼育しているヒグマに無線LANタグを装着して位置情報を把握するシステムを構築した。
同リゾート施設は、15ヘクタールにおよぶ敷地に野生に近い環境でヒグマを飼育している。無線LANタグでヒグマの位置を把握することで、ヒグマが病気や怪我で動けなくなった場合に迅速に発見できる。万が一、2重に設置したフェンスを越えて敷地外にヒグマが出た場合には、警告灯とブザーで警報を鳴らし、担当者の携帯電話にメールで通知する機能も実装した。
ヒグマの位置検知システムは、日立製作所の「AirLocation II」を使って構築した。18頭のヒグマに、重さ40グラムの無線LANタグを装着する。タグが発信した電波を敷地内に設置した受信装置(21カ所)で受信し、電波の到達した時間差を利用してタグの位置を計算する。利用している無線LAN規格はIEEE802.11bで周波数帯は2.4GHz。
新システムは、2007年4月から運用を開始。今後は、敷地内の来園者用通路にモニターを設置して、ヒグマの位置を表示するサービスを計画している。