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PDAよりも導入研修はスムーズ,ワンタイムパスワードで悩むケースも

 携帯電話対応システムへの切り替えにあたっては,サントリー本社の人事給与システムセンターがサンリーブのスタッフ管理担当者を対象とする研修会を実施し,運用や操作方法を指導した。実際に利用する店頭支援スタッフには,運用ルールと操作方法を端末画面の写真などを多用しながら詳細に解説したマニュアルを1冊ずつ配布し,サンリーブの各拠点の管理担当者がそれぞれ研修を行った。

写真2●サントリー グループ業務推進部の大島利美氏
写真2●サントリー グループ業務推進部の大島利美氏
 店頭支援スタッフは,30代から40代の主婦層が中心となっている。PDA導入の際は電源を入れる操作や,通信カードの取扱いから説明しなければならず,研修に多大な時間を要したが,「携帯電話は誰もがある程度は操作方法を把握しているツールのため,大きな混乱はなく端末の切り替えができた」(サントリー グループ業務推進部 人事給与センター 大島利美氏)。

 店頭支援スタッフが携帯電話を使って勤怠管理システムを利用する際は,まずパスワード認証を行ってシステムにログインしなければならない。セキュリティ機能を強化するために,個人認証方法には,乱数表中の位置情報を認証パスワードとするマトリックス方式のワンタイムパスワードを採用している(写真3)。システムへのリモート・アクセスには,NTTコミュニケーションズが提供する「モバイルコネクト」を利用し,ワンタイムパスワードとしてはMCOP(Mobile Connect One-time Password)を採用している。また,ログアウトのし忘れを防ぐため,端末の未操作が3分続くと強制的にログアウトされるように設定してある。

 導入の過程では,システムへログインする際のワンタイムパスワードの扱い方をなかなか習得できずに,手間取ったスタッフも少なくなかった。乱数表の中の「位置」をあらかじめ決めて,その位置に該当する数字をパスワードに使うという概念が,なかなか理解されなかったという。

写真3●ワンタイムパスワードで認証   写真4●勤怠管理のメニュー画面   写真5●出勤時刻の「打刻」画面
写真3●ワンタイムパスワードで認証   写真4●勤怠管理のメニュー画面   写真5●出勤時刻の「打刻」画面

 勤怠管理メニューでは,出退勤の時刻を入力する「打刻」,自家用車の走行メーターを入力する「走行距離」,残業申請を行う「過勤事前」,入力したデータをスタッフ自身が一覧で確認できる「勤務実績照会」などが用意されている(写真4写真5)。このうち走行距離や勤務実績照会メニューは,携帯電話対応に伴う追加機能である。店頭支援スタッフは自宅を出発する際と,業務がすべて終了して自宅に到着した際に,走行距離メニューで走行メーターの数値を入力しておくことによって,ガソリン代金の清算の目安にできる。また,勤務実績照会メニューを追加することで,スタッフ自身がデータ入力ミスなどを後日に確認できるようにした。

将来的には経費申請の自動化も検討

 各拠点の内務担当者や承認担当者といった管理スタッフは,オフィスのPCから管理画面にアクセスし,各スタッフの入力データをリアルタイムに確認できる(写真6)。勤務実態を把握した上で,「例えば,残業申請と出退勤時刻の差が大きい場合は指導を行う。管理データが増えた分,スタッフ管理がより正確に,より容易にできるようになった」(本吉氏)。勤務時間に対する指導,あるいは給与計算や経費申請に関する参考データとして役立てられているという。

写真6●勤怠管理の明細画面   写真6●勤怠管理の明細画面
管理スタッフは,オフィスのPCでリアルタイムに勤怠状況を確認できる。
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 現在のシステムでは,スタッフが出退勤時間や走行メーターを入力して勤務実態を把握する役割が大きい。残業実績は給与システムと連携して残業代の支給につながっているが,経費の申請は改めて専用用紙を使って行わなければならない。しかし今後は,「例えば走行メーターを入力したデータの集計から,自動的にガソリン代を申請できる機能などに対応していきたい」(本吉氏)。機能の改良と合わせて運用面も見直しながら,より業務の効率化を図っていく考えだ。

中村実里=ライター