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 新日本製鉄は、製鉄所の熟練技術者の作業データを自動的に記録するシステムを開発した。2月から一部の製鉄所で試験運用を始め、成果を検証しながら順次、国内9カ所の製鉄所に展開する。熟練技術者のノウハウをデータベース化し、若い世代に伝承することが狙いだ。同社の製鉄所で働いている約1万人の技術者の半数が50歳以上で、2007年度から大量退職が始まるため、システムの構築に踏み切った。

 作業記録システムは、ヘルメットに装着した音声記録・認識装置と、ペン入力装置が付いた携帯端末で構成。熟練技術者が口頭やメモ書きで伝えているノウハウを、同システムを使ってすべて記録する。例えば、鉄を溶かしたり、引き延ばしたりする際の温度や成分、作業の注意点などである。

 溶鉱炉を制御するプラント・システムなどでは微妙な温度管理が困難で、熟練技術者の経験に頼っているのが実情だ。これらの情報をデータベースに蓄え、当日の生産データなどと組み合わせて分析して、熟練技術者の作業を再現できるようにする。システムの構築費用は非公表だが、技術者1人当たり5万~10万円とみられる。