菓子メーカーのメリーチョコレートカムパニーは6月21日、電力線通信(PLC)の導入実験を千葉県船橋市にある同社の工場で実施し始めた。生産ラインを止めずに、新たなLANを導入できるかを試すのが目的だ。
実験には9台のPLCモデムを使用した。工場棟と情報流通センター棟の各フロアーにPLCモデムを設置。PLCモデムには、新たに導入するネットワーク対応のタイムカード機器を接続し、出退勤データを集める。収集したデータは専用線経由で本社へ送信する。
同工場は、事務スペースにLANを導入済みだが、タイムカード機器の設置場所にはLANがなかった。有線LANを引くとなると敷設工事のため生産ラインを止めなければならない。仮に止めたとしても「チリやゴミの混入が心配」(総務部システム担当の櫻井智彦マネージャー代行)だった。
無線LANの導入も検討したが、セキュリティの不安や、工場特有のノイズが無線LANに悪影響を与える問題があった。そこで既存の電力線を使うPLCに着目した。総務部システム担当の津田稔マネージャーは、「PLCでのネットワーク構築やデータの送信実験の結果を受けて、工場内でのIT端末の利用などさまざまな応用について考えたい」と語る。