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北陸電力が運用するヒヤリハット情報共有のためのデータベース
北陸電力が運用するヒヤリハット情報共有のためのデータベース
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 北陸電力は今年7月末から「ヒヤリハット情報」を共有するための「業務改善データベース」の運用を始めている。3月に発覚した同社志賀原子力発電所(石川県志賀町)の「臨界事故隠し」に関連した再発防止策の一環だ。

 北陸電力では、志賀原発で1999年6月に発生した試験中の臨界事故を、8年近く隠していたことが発覚した。現在、28項目の再発防止策を策定し、順次実行に移している。高林幸裕・品質管理部品質管理推進室長は、「隠さない企業風土を作るうえで、『失敗情報』がカギになると考えている」と話す。データベースの運用は、28項目のうち「失敗事例に学ぶ仕組みの充実」のための具体策として実行している。

 北陸電力は失敗情報の活用のために、原発部門以外も含めた各職場で1人、全社で約140人の「失敗活用リーダー」を選任し、過去の事故・トラブル事例の分析・共有する体制を作った。一方で、データベースでは、現場で気付いたより細かいことや、ちょっとヒヤリとしたことを気楽に書き込めるようにし、「気付いたことを言い出しやすい雰囲気を作る」(高林室長)ことを狙っている。

 8月上旬までにデータベース運用に当たっての説明会を終えた。それから1カ月超が経過しているが、まだ登録件数は十数件にとどまる。あくまで、自発的に失敗を言い出しやすい風土を醸成するのが目的であり、「入力を強制したり、ノルマを課したりはしない」(高林室長)という。その代わり、ヒヤリハット事例が登録・共有されると、登録した人や、それに基づいて業務改善策を実行した人に対してポイントを付与し、図書券などの特典に交換できるようにしている。