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 ビー・エム・ダブリュー(千葉県千葉市)は、2008年中に全国各地で178拠点ある整備工場が利用するシステムを刷新する。同社の整備工場は2年前から消耗品交換時間短縮などを目指した業務改革を進めており、今回のシステム刷新はその柱になるものである。

 既に東京都の品川区にある天王州サービス・センターでは、7月の同センター開設と同時に新システムを導入している。

 新システムの導入により、整備マニュアルは動画で配信され、整備担当者は作業しながらゴーグル型のモニターでそれを見られるようにする。同社アフターセールス本部長のヴィンフリード・シンフ氏は、「整備士の負担を減らして作業時間を短縮することで、顧客満足度向上につなげたい」と期待をかける。

 また、従来は、整備工場ごとに、不具合事例などを参照するサーバーを管理し、独本社とは情報をバッチ転送でやり取りしていた。今回のシステムでは、独本社とリアルタイムで最新の不具合情報を共有する。

交換時期が迫った消耗部品を入庫時に直ちに把握可能

 新システム導入に伴って、入庫時の受付対応業務も見直した。アフターセールス・ディビジョンの若梅和人プロセス・デベロップメント・マネジャーによると、故障車の入庫時間のうち、入庫してから整備士が部品を交換する所を探して見積もり金額を顧客に提示し、再来店して了承してもらうまでの時間が長いことがわかったという。

 特に、あと数週間で交換する必要がある部品があったとしても、入庫した時点でそれを直ちに把握できずに、顧客に後日連絡を取って再度、来店して見積もりに同意を求めるといったケースが少なくなかった。

 そこで、7月に開設した天王州サービス・センターでは、顧客が来店時に整備担当者と一緒に車両の状態を確認できる設備を用意。入庫と見積もりをなるべく同時に行うようにしていく。(写真1)

7月に開設したBMW Tokyo 天王洲サービス・センター。顧客が点検を依頼するための専用スペースを設置   7月に開設したBMW Tokyo 天王洲サービス・センター。顧客が点検を依頼するための専用スペースを設置
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 この設備には、自動車の状況を確認できるリフトのほか接客ブースを用意。入庫の受け付け担当者が、接客ブース内で自動車のカギに入ったIDをシステムへ照合すると、直ちにこれまでに受けた点検履歴や内容などを表示できるようにした。消耗部品の交換時期がどのくらいさし迫っているかも3段階で表示する。こうして、故障車とシステム表示を見ながらその場で顧客に説明や提案を行えるようにした(写真2)

自動車とパソコンから取り出したこれまでの履歴を合わせて、顧客に提案ができる   自動車とパソコンから取り出したこれまでの履歴を合わせて、顧客に提案ができる
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適切な入庫タイミングも提案可能に

 さらに、新システム導入後は、新たな入庫依頼の電話を受けた際に、入庫時間が短く済むような適切な入庫日と時刻を依頼客に提案できるようになる予定だ。新システムでは整備工場内の作業負荷も管理しており、どの車が何時ごろ整備・修理完了するのかが簡単に確認できるからだ。
 
 従来は、顧客の都合に合わせて車を持ち込んでもらうケースが多かったが、「整備工場が混雑しているときに早く持ち込んでもらっても、入庫期間が結果的に長くなってしまい顧客満足度がむしろ悪化する可能性が高い。入庫時間を短くするために、入庫時刻をむしろこちらから指定するほうが、顧客満足度が向上するはず。この考え方を販売店から理解してもらうのは大変だった」(若梅マネジャー)という。
 
 天王洲サービス・センターでは、「Ex+Plus Service(エクスプラス・サービス)」という、消耗部品の交換作業などを従来より短時間で完了する付加価値サービスを打ち出している。作業内容にもよるが、およそ90分間を目標にしている。この新サービスを全国のサービス拠点で提供可能にすることも、新システム導入の狙いである。