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 住宅メーカー、積水化学工業の子会社で販売促進用ツール制作を担当するセキスイハイムクリエイト(東京都港区)は、2008年4月までに戸建て住宅のカタログを見込み客が手軽にダウンロードできるシステムを導入する。ビジュアル・プロセッシング・ジャパン(東京・渋谷区)のデータ配信ソフトウエア「nVerge」を導入することで、顧客がデータの圧縮や解凍を意識しなくても、数ギガバイト(ギガは10億)規模の写真や動画データを簡単にダウンロードして閲覧できるようになるという。

 新システムの利用を想定している顧客は、住宅展示場をいったん訪れたり、資料を請求したなどの見込み客。このシステムの導入により、セキスイハイムの営業担当者が見込み客を訪問する際は、わざわざ提案用の資料を紙で作成しなくても、プレゼンテーションを行えるようになる。

 見込み客にダウンロードしてもらうデータは、既に数年前にデータベース化してある。耐震性能を説明するために工場で実験している様子の動画など約5500点を格納した。これまでは全国各地にある販売会社が共通して活用してきた。

 今回の新システム導入後は、営業担当者はまずどんな戸建て住宅を提案するかを決めてそれに応じたデータをデータベース上から見繕う。そして、その資料を自動ダウンロードするよう設定したクライアント用ソフトを、見込み客に電子メールで送信。受け取った見込み客が、そのクライアント用ソフトをクリックすれば、営業担当者が選んだプレゼンテーションが起動するという仕掛けだ。

 3000人いる積水化学工業住宅カンパニーの営業担当者は、1人あたり平均数十件の見込み客を抱えている。そのうち契約に結びつくのは数件である。新システムを企画したセキスイハイムクリエイト メディア・コンテンツ部の荻野元宏課長は、「これまで営業担当者は夕刻に顧客宅に訪問して夜遅くに帰社してから資料作成に取り組んでいた。資料作成にかかる時間を短くすることで営業担当者の業務負荷を減らしたい」と期待している。